高校受験を塾なしで合格する方法
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高校受験を塾なしで合格できる?
子どもの中学校入学に前後して、高校受験の対策を考える保護者の方も多いのではないでしょうか。
受験対策の王道といえば、やはり学習塾ですが、1年生から通う場合は費用がかかるだけではなく、部活動との両立の問題もあります。
一方で、受験生になってから塾に通わせようと思っても、2年生時点で先取りの受験対策をしている多くの学習塾の中には、3年生を積極的に受け入れていないところも少なくありません。
将来の大学受験や留学も見据えると、子どもの塾の費用はできるだけ抑えたいもの。塾なしで一定レベルの公立高校に合格することができれば、そのぶんの学費を大学受験時の塾代や受験費用に利用できますし、子ども自身にとっても自宅学習を計画的に進めて合格を勝ち取った経験が自信につながるはずです。
今回は、高校受験を塾なしで合格したいご家庭のために、学費を抑えて志望校合格を目指すコツと、家庭学習に役立つ通信教育をご紹介します。
contents
- 塾なしで高校受験に合格するのための家庭学習の習慣づくり
- 中学1年~中学2年夏までの過ごし方
- 中学2年秋~中学3年後半までの過ごし方
- 中学3年後半からの過ごし方
塾なしで高校受験に合格するのための家庭学習の習慣づくり
高校受験を塾なしで合格するためにもっとも大切なのは、中学3年間の中で少しずつ受験に向けた取り組みを行っていくことです。
入試に難しい応用問題などが出題される難関私立高校と比較すると、公立高校はたとえトップクラス校であっても、試験の内容は中学3年間の総復習となることがほとんどです。 普段の生活態度や定期テストの点数(内申点)も重要なポイントになることから、そのときどきの授業の内容をしっかりと理解することと、定期テストで十分な対策を行うことが重要です。
具体的な方法としては、きちんと授業を受けたうえで、学校から出る宿題(予習・復習)に取り組みましょう。
中学1年~中学2年夏までの過ごし方
中学生は部活動も本格化するため、勉強と部活の両立を考えれば、中学2年生の夏ごろまでは、学校の授業のペースに合わせて、毎日の宿題と定期テスト対策に力を入れるだけでも十分でしょう。
なお、中学校で案内される英検は、英語学習の習慣づけになる他、受験のときの英語対策にもなるので、受けておいて損はありません。中学生では3級までの取得が推奨されていますが、英語が得意な子どもの場合は、準2級や2級にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
このように、1年生のときから高校受験を見据えて家庭学習の習慣をつけておけば、授業内容の取りこぼしも少なくなり、定期テスト対策としても受験対策としても有利に働きます。
中学2年秋~中学3年後半までの過ごし方
中2の秋以降は、徐々に受験のための勉強が必要になる時期です。高校受験の参考書や志望校の過去問などを使い、子どもがどこを理解できていて、どこが弱点なのかを可視化しましょう。
難関私立を併願する場合は、この頃から、学校の授業ではカバーできない数学などの応用問題を先取り学習すると良いでしょう。
苦手分野の洗い出しには、学習塾が実施している模試もおすすめ。自分の学力と志望校までの距離を客観的に教えてくれるので、間違えた箇所は重点的に復習し、ミスを起こさないようにしましょう。
受験を意識しだす生徒の多い時期ですが、中1の頃と同じく定期テストも行われ、内申点にも関わってくるため、テスト対策も大切です。
中学3年後半からの過ごし方
中3の後半になると、新たなことを学ぶインプットよりも、受験用問題集を解いて中学校3年間で習ったことを総復習するアウトプットの比重が高まります。
公立志望の場合は内申点の観点から期末テストにも手を抜けないため、受験対策とテスト対策を併用するもっとも忙しい時期となるでしょう。
子どもが一人での家庭学習に伸び悩みを感じるようであれば、スポットで塾の夏期講習・冬期講習を受講してみるのも選択肢の1つです。
時期 | 勉強の方針 | 具体的にやること |
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中1から中2の夏ごろまで | 授業の内容を理解することを主軸に置く。内申点アップの効果も。 とくに授業の理解度を測る定期テストはしっかりと対策する。 英検を受けてみる。 |
普段の授業・予習・復習と定期テスト対策を中心にこなす。 英検は受験英語の対策にもなるので、受検の案内が来たら取得を目指すと良い。 |
中2後半(秋から学年末まで) | 引き続き授業で理解のヌケ・モレをなくすため、定期テスト対策が重要。 数学の先取り学習をはじめる(難関私立対策) 英検を受けてみる。 |
宿題の中でも反復学習(書き取りなど)は学校のすきま時間にすませてしまうと良い。 問題集や通信教育を活用し、数学の先取り学習をする。 中学修了までに英検2級を目安に。 |
中3(1学期) | 引き続き授業の内容理解。内申点対策のため定期テストにも気を抜かないこと。 塾はこの時期の入塾に積極的でないケースが多いので注意する。 |
塾の模試で現在の学力をチェック。間違えた箇所は復習する。 1~2ヶ月に一度の割合で模試を受けると学力の変化がわかる。 |
中3(2学期) | 学校の授業中心の学習内容から受験を意識した学習内容に変えていく時期。 | 受験用の問題集(過去問など)を解きはじめる。 とくに私立高校の過去問は夏休み頃からコツコツと。 |
中3(3学期) | 中学の総復習。問題を解き、ミスを潰す作業が中心。 公立受験の場合は学年末テストもおろそかにできない。。 |
問題集は公立受験用に中学の学習内容を総復習できるテキストと、私立向けの応用問題が豊富なテキストをあわせると良い。 過去問や模試で間違えたところを洗い出し、潰していく。 |
家庭学習におすすめ!高校受験に対応した中学生向け通信教育6選
進研ゼミ中学講座
高校受験対策ができる家庭学習用教材として高い知名度を誇るベネッセの中学生向け通信教育。紙の教材を利用する「オリジナルスタイル」と、紙教材とタブレット教材を併用する「ハイブリッドスタイル」の2種類から学習スタイルを選択できる。
中一講座では高校受験や内申点のしくみなどを解説し、中二講座では志望校の合格率診断や学習アドバイスを行うなど1年生時点から高校受験を見すえた対策を取ることができる。
受験のための模試や過去問、学習や進路に関する悩み相談なども講座費用内に含まれる。塾なしで高校受験を目指す場合の有力な選択肢と言えるだろう。
高校受験に対応した中学生向け通信教育 比較
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スマイルゼミ
タブレット教材に特化した中学生向け通信教育。主要5教科+実技4教科に対応しており、定期テスト対策ではテストの日程と範囲を設定することで子どもの理解度に合わせた問題が9教科ぶん配信される。英語のリスニング対策などタブレット教材ならではのカリキュラムも特徴。
高校受験対策では、志望校レベルごとに一般校向けの「標準クラス」と難関校向けの「特進クラス」を用意。特進クラスは先取り学習が可能で、3年生の秋からはじっくりと受験対策ができる。
講座に満足できなかった場合の全額返金保証もあるので、子どもと教材の相性や使いやすさを体験したうえで検討すると良いだろう。
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スタディサプリ
リクルートグループが運営する映像授業とテキストを利用した中学生向けオンライン教材。対応は主要5教科。「基礎」「定期テスト対策」「高校受験準備(応用講座)」の映像授業がどれでも見放題となる。
自主学習がメインの「ベーシックコース」と、担当コーチがマンツーマンで学習スケジュールの立案や子どもへの声かけ・指導を行う「個別指導コース」の2種類がある。
入会金などの追加費用はかからず、月額料金のみで利用可能。映像授業は1回15分で、オンラインなので場所も問わずスキマ時間を利用して学習できる。
中3の講座では9月以降、都道府県別の高校入試対策や内申点対策を実施。
高校受験に対応した中学生向け通信教育 比較
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Z会
難関校受験や中高一貫校の授業にも対応しているZ会の中学生向け通信教育。予習・問題演習・復習による3段階の授業対策や、実技4教科も含めた9教科の定期テスト対策、中1・中2の早い時期から取り組める入試対策などハイレベルなカリキュラムに定評があり、有名校への合格実績も高い。
紙のテキストを使用する「テキストスタイル」と、iPadに講座が配信される「iPadスタイル」の2種類の学習方法を選択できる。iPadスタイルでは映像授業による理解度アップや個別の学習計画・復習プログラムが提案されるなど家庭学習のサポートが充実。
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すらら
無学年方式を採用する家庭学習用オンライン教材。家庭学習をサポートする「すららコーチ」が、子どもひとりひとりの特性をヒアリングしたうえで学習計画を立案。学年を問わず、わかるところまでさかのぼっての振り返り学習や、得意分野の先取り学習ができるため、勉強に苦手意識を持つ子どもでも自己肯定感を育みながら学習への理解度を高められる。
普段の授業対策や定期テスト対策はもちろん、高校受験対策も織り込んだ学習計画を立ててもらえる点が特徴。
「子どもに自主学習の習慣が付いていない」「マンツーマンでサポートしてもらいたい」など学習にヘルプが欲しい場合に検討したい中学生向け通信教育だろう。
高校受験に対応した中学生向け通信教育 比較
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ポピー
40年以上の歴史を持つ株式会社 新学社が運営する中学生向けの通信教育。紙ベースのテキスト教材で問題を解き、付属の解答「答えとてびき」でチェックする自主学習形式なっている。
授業の内容をきちんと理解することに主眼を置き、中学校の教科書に沿った内容になっているため、授業に合わせた予習・復習が可能。1ページ15~30分程度で学習内容の重点を理解できるので、忙しい中学生でも無理なく続けることができる。
また1年生から着実に入試対策ができる教材『FRESTA』や『定期テスト対策予想問題集』も付帯。5教科はもちろん、実技教科(音楽、美術、保健体育、技術・家庭)にも対応している点も嬉しい。お試し版は無料で申し込みできるので、気になる人は一度試してみると良いだろう。
高校受験に対応した中学生向け通信教育 比較
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まとめ
高校受験は入試での正答率に加えて、普段の学習状況を見る内申点が加算されるため、中1からの授業理解と定期テスト対策が重要になります。
2年生の後半ごろには、試験対策として過去問を説いたり、今までの学習の総合的な振り返りをはじめたほうが良いため、塾なしでこれをクリアするためには、適切な学習計画を立てることが欠かせません。
毎日の学習やテスト勉強をコツコツと続けるのは、大人でも挫折しやすい根気のいる作業。 中学生ともなると子ども自身も独立心が高まっているので、保護者がつきっきりでサポートをすることも困難です。
塾に頼らず高校受験を乗り切る場合は、まず子どもと話し合って学習計画をどうするか、毎日の勉強をどのように進めるか決めた上で、必要に応じて通信教育を利用しても良いでしょう。
今回ご紹介した中1からの高校受験の進め方、高校受験対策のしっかりした通信教育の情報も参考に、志望校合格を目指して親子ともども満足できるかたちで高校受験を乗り切りましょう!
- Author: 長尾 尚子
- フリーランスライター。得意分野は、育児・教育、住宅ローン、保険、金融、エンタメetc.。子ども3人を育児中のママでもある。 【資格】消費生活アドバイザー、FP2級
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