育児・子育て
親子で取り組むSDGs。家庭で簡単にできることは?
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子供に「SDGsって何?」と聞かれたら一緒に考えよう!自分たちにも簡単にできること
新型コロナウイルスが流行する前から、テレビやインターネットで頻繁に見かけるようになった「SDGs」。レジ袋の有料化などをきっかけに、以前よりも身近に感じている方も多いのではないでしょうか?
持続可能な未来のために、国際社会の話し合いのもと採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、地球に生きる誰もが当事者として関わっていかなければいけない課題です。
特に、親よりもずっと長い人生を送る子供たちにとっては、現在の地球温暖化や経済格差は切実な問題と言えるでしょう。
その一方で、お子さんに「SDGsってなに?」「どういうことをすればいいの?」と質問された際、しっかりと説明できる自信がない・・・という保護者の方も多いはず。
そこで今回は、「家庭で簡単にできるSDGs」をテーマに、SDGsの基礎知識や、親子で気軽に取り組めるSDGsアクションについてご紹介します。
「SDGsについて考えることでわが子に知見を広げてほしい」「子供がこれから生きていく世の中を少しでも良いものにしたい」と感じる保護者の方は、ぜひ最後までチェックしてください!
目次
そもそもSDGsとは?押さえておきたい17の目標
SDGsの正式名称は、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」といいます。2015年に国連サミットにおいて採択された17の目標、および169のターゲットを指し、2030年までに目標を達成するため、定期的に国際会議を開催しています。 SDGsについて知る際には、まず基本となる17の目標をチェックしておきましょう。
1. | 貧困をなくそう |
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2. | 飢餓をゼロに |
3. | すべての人に健康と福祉を |
4. | 質の高い教育をみんなに |
5. | ジェンダー平等を実現しよう |
6. | 安全な水とトイレをみんなに |
7. | エネルギーをみんなにそしてクリーンに |
8. | 働きがいも経済成長も |
9. | 産業と技術革新の基盤をつくろう |
10. | 人や国の不平等をなくそう |
11. | 住み続けられるまちづくりを |
12. | つくる責任つかう責任 |
13. | 気候変動に具体的な対策を |
14. | 海の豊かさを守ろう |
15. | 陸の豊かさも守ろう |
16. | 平和と公正をすべての人に |
17. | パートナーシップで目標を達成しよう |
これらの17の目標には、それぞれに「ターゲット」と呼ばれる達成基準が設けられています。たとえば、「1.貧困をなくそう」には、全部で7つのターゲットがあり、目標を実現するための具体的な基準を知ることができます。
1.貧困をなくそう、のターゲット(一部)
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親子で取り組むSDGs。家庭で今日から簡単にできることはある?
17の目標と169のターゲットを見ていくと、SDGsは世界規模の大がかりな目標や基準で、個人には関係ないのでは?と感じる方も多いでしょう。
しかし、多額の寄付や海外でのボランティア活動等ができなくても、一人ひとりが自分にできる範囲で行動するだけでSDGsの目標に近づくことはできます。むしろ、それこそがSDGsの本質なのです。
ここでは、家庭で今日からできる簡単なSDGsアクションについて見ていきましょう。
親子で取り組むSDGs。家庭で今日から簡単にできることはある?フェアトレード製品や環境に配慮した製品を購入する
例えば、物を買う際は、フェアトレードや環境に配慮した製品を選ぶようにすると、貧困や環境問題に取り組んでいる事業者を支援できます。
フェアトレードとは、発展途上国で作られる原料や製品を適正な価格で継続的に取引していくこと。世界の貧困をなくすための取り組みの1つとして、コーヒー、バナナ、チョコレート、スパイスなど様々な食料品や日用品がフェアトレード製品として市場で販売されています。
また、廃材・廃プラスチックなどを再利用した製品や環境問題に配慮した製品も、資源の無駄を減らし、環境汚染の原因となる物質を減らす活動を支援することにつながります。
ハーブティーと国産ドライフルーツを取り扱う通販サイト。フェアトレードとフードロスを意識した製品づくりを行っており、ミャンマーのハーブ農家から仕入れた農薬&化学肥料不使用のハーブティーを販売。また、フードロス対策として国内農家から仕入れた規格外の果物を自社工場でドライフルーツに加工し販売している。
送料(税込) | 全国一律520円※10,800円以上購入で送料無料 |
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2. MERCI(メルシー)
環境に配慮した素材・製法で作られた「サスティナブルファッション」を取り扱う通販サイト。アパレル産業が抱える問題(大量生産や大量破棄、染色による水質汚染、低賃金労働など)に取り組むアパレルメーカーの衣類を販売している。
送料(税込) | 無料~1,370円※アイテム・配送エリアにより異なる |
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親子で取り組むSDGs。家庭で今日から簡単にできることはある?フードロス(食品ロス)をなくす
日本のフードロスは、年間522万トン。そのうち家庭からの食品廃棄は247万トンと、フードロス全体の約47%を占めています。家庭で食べ残しを出さないように心がけ、買った食材を使い切るようにすることで、これらの食品廃棄を減らすことができます。
また、スーパーで食品を選ぶ際は、「陳列棚の一番手前にある賞味期限の近い商品から取る(棚の奥のほうからは取らない)」「見切り品やおつとめ品を買うようにする」など、少しの工夫をするだけで、業者から廃棄される食品の量も減らせます。
さらに、家庭内の不要な食品(米や缶詰など)を近隣のフードバンクに寄付するのもおすすめ。 通販サイトの中には、訳あり品を専門に取り扱う業者も増えています。フードロス削減のため、このようなサービスを利用するのも1つの方法です。
1. ロスヘル
規格外の野菜を全国から仕入れ、家庭向けに販売する野菜宅配サービス。不揃いや傷ありなどスーパーマーケットには並べられない野菜を一般的な価格の30~35%OFFで購入できる。サイトでは、各種のわけあり野菜を詰め合わせた野菜パックをサイズ別に用意。1ヶ月ごと、または2週間ごとに定期的に届く。サブスクの解約は随時可能。
おもな商品 |
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東京ガスがスポンサーを務めるおつとめ品の通販サイト。賞味期限や使用期限が迫った食品や日用品をメーカーから買い取り、割安価格で販売している。取り扱う商品は、お米や缶詰・調味料・お菓子などの食品に加え、基礎化粧品やメイク用品、日用品、ペット用品まで幅広い。買上げ金額の一部はjunijuniの応援団体に寄付され、購入時に寄付先を選ぶこともできる。
おもな商品 | 食品、スナック・お菓子、飲料、美容・健康用品、日用品、ペット用品 |
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送料(税込) | 全国一律770円※3,980円(税込)以上の購入で無料 |
親子で取り組むSDGs。家庭で今日から簡単にできることはある?不用な物を寄付する
読まなくなった本や着なくなった衣類は、不用品の寄付を募っている支援団体に寄付することで、物資を必要としている国や地域に届けることができます。
自治体の廃品回収で紙ごみや布ごみとしてリサイクルをする方法もありますが、まだ読めるきれいな本や、大きな汚れ・ほころびのない服がある場合、寄付できる団体がないかどうか探してみましょう。
親子で取り組むSDGs。家庭で今日から簡単にできることはある?マイバッグ、マイボトル、マイ箸などを持ち歩く
プラスチックごみを減らす取り組みの1つとして、レジ袋が有料化されたことは記憶に新しいでしょう。プラスチックごみの削減は、近年問題になっているマイクロプラスチックの排出を抑え、海洋汚染を軽減するのに役立ちます。
プラスチックの使用量を減らすためにも、マイバッグを携帯する習慣をつけましょう。
マイ箸やマイボトルも、飲食の際に割り箸やプラカップ・紙コップを使わずに済むため、ごみを減らす効果があります。家族それぞれが自分の分を持ち歩くようにすると良いでしょう。
親子で取り組むSDGs。家庭で今日から簡単にできることはある?節水を心がける
日本は世界でも水資源に恵まれた国の1つです。しかし、浄水や下水処理には大きなコストがかかるため、水を非効率に使うことで費用がかさみ、将来的には水道代として家計に跳ね返ってくるおそれもあります。
「蛇口の水を流しっぱなしにしない」など、節水のためのルールを家族で決めると良いでしょう。
他にも、「風呂水を洗濯や掃除に使う」「調理に使った油は排水管に流さず固めて処理する」「米の研ぎ汁を庭にまく」など、日頃からできることをリストアップしておくのがおすすめです。
親子で取り組むSDGs。家庭で今日から簡単にできることはある?紙を無駄にしない
コピー用紙やノートなどの紙製品は100均でも気軽に購入できます。しかし、紙は木材を原料としているため、大量に紙を消費することは、目に見えないところで森林破壊にもつながる点には注意が必要です。紙が限りある資源であることを意識して、無駄遣いをしないよう心がけましょう。
たとえば、書類をプリントアウトせずにPDFでやりとりするなど、紙でなくても良い場面ではペーパーレス化を図ることも大切です。
親子で取り組むSDGs。家庭で今日から簡単にできることはある?省エネを心がける
電気やガスなどのエネルギーを節約することも持続可能な社会づくりに役立ちます。「部屋の電気をこまめに消す」「エアコンの設定温度を省エネ基準に合わせる」「LED電球を使う」など、できることから取り組むと良いでしょう。
また、ガスは給湯器を使うことで使用量が増えるため、「お風呂には連続して入る(追い焚き機能の使用頻度を減らす)」「お湯の温度を夏場は低めに設定する」などの工夫をしてみましょう。
親子で取り組むSDGs。家庭で今日から簡単にできることはある?家庭のジェンダー平等を考える
日本のジェンダーギャップ指数は、146カ国中116位(2022年)と、先進国の中で最下位。近隣の韓国(99位)や中国(102位)と比較しても劣っています。
人々のジェンダー意識は、家庭や学校で培われることが多く、子供は保護者のジェンダーに対する考え方に大きな影響を受けます。家事や育児は夫婦で分担し、男女が協力し合う姿を見せていくと良いでしょう。
また、子供自身を性別の枠にはめないようにすることも大切です。「泣くのは男らしくない」と叱ったり、女の子にだけ家事のお手伝いをさせたりしないよう意識しましょう。
なお、LGBTQと呼ばれる性的少数者は、日本の人口の約3~10%を占めると言われます。割合としてみた場合、子供の周囲に性的少数者がいる可能性は高く、場合によっては子供自身が当事者となるケースもあるでしょう。
LGBTQについては、近年、世間の認知度が高まり、当事者団体などが情報を発信しているため、子供と一緒に理解を深めていくのがおすすめです。
持続可能な社会のために、簡単にできることから親子でSDGsに取り組んでみよう
SDGsと聞くと、グローバルな環境問題や恵まれない人々への支援など、「社会貢献」の側面を強く意識する方も多いでしょう。
しかし、家庭で簡単にできるSDGsアクションの多くは、食費や光熱費の節約といった自分たちにとってもメリットの大きい行動です。SDGsを意識した生活をすることによって家計も助かる、いわば一石二鳥の取り組みと言えるでしょう。
子供たちの世代が、より良い環境で生きていくためにも、親子でSDGsへの関心を高め、家庭で簡単にできることから取り組んでみてはいかがでしょう。