発達障害の子の学習サポートとして注目されているタブレット学習
発達障害の子の場合、長時間じっとしていることや読み書きなどを苦手とするケースが多いため、学校の授業にうまくついていくことができず、勉強そのものを苦痛に感じてしまう子が少なくありません。
そんな学習に困難を抱える子どものサポートとして、現在、注目されている学習方法のひとつに、タブレット学習があります。
発達障害の子のためのタブレット学習 QandA
勉強を飽きさせない工夫はありますか?
タブレット学習では、文字や絵に加え、動画や音声などのコンテンツも利用して学習を行います。とくに子どもが「読み」「書き」が苦手な場合、テキストの内容を動画や音声で解説してくれる他、タッチペン等で問題に答えることができるタブレットの機能は、大いに役立つはず。タブレットで実際に図形を動かしたり、英語の正しい発音を聞いたりすることで、テキストのみではうまくイメージできなかった学習内容を補うこともできます。
また、「毎日学習することを提案してくれる」「問題をクリアするとごほうびがある」など、ゲーム感覚で毎日続けやすい点もタブレット学習の優れたポイントです。
学校の授業の内容に合わせた(教科書準拠型)学習ができますか?
タブレット教材の中には、子どもが現在習っている教科書の単元に合わせて学習内容を調整する「教科書準拠型」のものがあります。
学習障害によって学校の授業内容に十分ついていけていない場合、教科書の進度に沿って学習をサポートしてくれる教科書準拠型のタブレット学習を選ぶことで、授業の理解度が深まり、学校の成績アップを目指すことが可能。
授業がわからないことを子ども自身が気にしているようであれば、教科書準拠型のタブレット教材の活用を検討してみるのも良いでしょう。
苦手部分をさかのぼって学習&得意な単元はどんどん進められますか?
教科書準拠型とは対象的に、学習内容を学年で区切らない「無学年方式」を採用しているタブレット教材もあります。
こちらは、学年や授業のスピードではなく、「子ども自身の理解度」にフォーカスし、ひとりひとりのペースに合わせた学習ができるようになっています。苦手な分野は学年を戻って基礎から学び直し、得意な分野については先取り学習もできるため、つまずいている箇所がわからない子どもや得意不得意のはっきりしている子どもにおすすめです。
発達障害に関する情報やサポートを提供していますか?
タブレット教材の中には、発達障害の子どもを持つ保護者向けにフォローアップを実施しているものがあります。子どもが学習でつまずいたときに、保護者がどのように声かけやサポートをすれば良いかのヒントを得られるため、こちらもチェックしておきましょう。
勉強を飽きさせない工夫がある | すらら、チャレンジタッチ、スマイルゼミ、デキタス、スタディサプリ |
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学校の授業に合わせた学習ができる(教科書準拠) | チャレンジタッチ、スマイルゼミ、デキタス、スタディサプリ |
苦手部分をさかのぼって学習&得意な単元はどんどん進められる(無学年方式) | すらら |
発達障害に関する情報やサポートを提供している | すらら、チャレンジタッチ |
ひとくちに発達障害といっても、障害のパターンや子ども自身が感じている困難はそれぞれです。
じっとしていることが苦手な子であれば、1回の学習時間が短いものや、ゲーム要素が盛り込まれているものなら、本人が夢中になって取り組めるケースも。字の読み書きが苦手な子であれば、動画・音声での解説があるものを選ぶなど、子どもに合ったタブレット学習を見つけましょう。
発達障害の子におすすめのタブレット学習
プラスニ編集部では発達障害の子どもが取り組みやすいタブレット学習を厳選しました。それぞれの教材の特徴・内容をチェックし、お子さんの学習サポートにお役立てください。
パソコンやタブレット(iPad)で利用するオンライン教材。無学年方式を採用しており、学年にこだわらず子どものつまずいた箇所まで戻って学習し、理解を深めることができます。
受講スタートの際は、現役の塾講師でもある「すららコーチ」が、子どもの特性を電話でヒアリングし、学習内容を設計。子どもの勉強の様子をメールやLINEで知らせてくれます。発達障害の子のサポート経験があるすららコーチも在籍。
小1から中3までの範囲を学べる「小中コース」、中1から高3までの範囲が学び放題の「中高コース」、小1から小6まで通して学べる「小学コース」があります。
とくに「低学年コース」では発達障害の専門機関(子どもの発達化学研究所)との共同開発で、画面の見やすさや理解しやすい説明に配慮。
生徒の89.1%が学習を継続している※など、続けやすさにも定評があります。公式ホームページから無料体験を申し込めるので、教材の内容や子どもとの相性をチェックしてみると良いでしょう。
- 2016年1月~2017年6月の期間ですららを3ヶ月以上継続している生徒の継続率
発達障害の子におすすめのタブレット学習 比較
飽きさせない工夫 | 教科書準拠 | 無学年方式 | 発達障害対応 |
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対象学年 | 小1~小6、中1~中3、高1~高3 |
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入会金・税込 |
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毎月払い・税込 |
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教科の特徴 |
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通信教育大手・進研ゼミが提供するタブレット教材。専用のタブレット端末にカリキュラムが配信され、毎日の学習内容を自動的にピックアップし、提案してくれます。
教材は学年式で、教科書に準拠した内容。受講スタートから子ども専任の赤ペン先生がついて課題の添削やアドバイスをしてくれるほか、保護者にも子どもの学習履歴をメールで知らせてくれます。
また、設定した時間にアラームで勉強をお知らせしたり、課題完了でもらえるポイントを集めてプレゼントがもらえるなど、子どものやる気を引き出す仕組みが充実。
発達障害に特化した教材はありませんが、ベネッセが運営する「発達障害支援サイト」では発達障害の子におすすめのチャレンジタッチの使い方などを提案しています。
公式サイト上で無料体験教材を申し込めるため、まずは子どもの興味や講座の内容をチェックしてみると良いでしょう。
発達障害の子におすすめのタブレット学習 比較
飽きさせない工夫 | 教科書準拠 | 無学年方式 | 発達障害対応 |
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対象学年 |
年長(新小学1年生)、小学校1~6年
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料金 |
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教科の特徴 |
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タブレット学習のリーディングカンパニーとして高い人気と知名度を誇るジャストシステムが提供するタブレット教材。専用のタブレット端末に毎月、カリキュラムが自動配信され、子どもの学習状況にあわせて、必要な課題を提案してくれます。
教科書準拠型で、受講スタート時に子どもの学校名を入力すると、授業で使用している教科書が自動登録されます。
子どもが、自分の分身となるマイキャラ(アバター)を持つことができ、課題を終えるたびにもらえるポイント(スター)を貯めてマイキャラ用のアイテムをもらえるなど学習を飽きさせない工夫が凝らされています。漢検ドリル・計算ドリル・プログラミング学習・学力診断テストが受講費内(追加費用無料)で受講可能。英語も小学1年生から標準配信されます。
発達障害への対応は、他のタブレット教材と比較すると少ないですが、保護者が子どもの学習状況をチェックできる「みまもるネット」に定期的に学習アドバイスが届くので安心です。
無料で利用できる期間はありませんが、入会後2週間のお試しで満足できない場合は、タブレットを返却することで会費とタブレット代が全額返金されるので、使用感を試してみたい場合は申し込んでみると良いでしょう。
無学年学習を採用しているタブレット教材比較
飽きさせない工夫 | 教科書準拠 | 無学年方式 | 発達障害対応 |
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対象学年 |
小1~小6、中1~中3
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料金 |
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教科の特徴 |
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城南予備校などで知られる城南進研グループが提供するWEB学習システム。パソコンやタブレット、スマートフォンなど任意の端末を使用して場所を選ばずに学習できます。
1授業は2分から5分と短く、仕上げのチェック問題も○×式で解答が容易なため、達成感を得やすいです。
発達障害のための専用サポートはありませんが、集中力が続きにくい子でも、スモールステップで知識を身につけていくことができる点は大きなメリットと言えるでしょう。単元の最後にはチャレンジ問題も用意されており、間違えた問題は、とき直しや学年を戻っての学習が可能。
学習を進めることで貯まるポイントをご褒美に交換するなど、続けやすいしくみも用意されています。5日間の無料体験ができるため、子どもが楽しんで取り組めるかどうかをチェックしてみるのがおすすめです。
無学年学習を採用しているタブレット教材比較
飽きさせない工夫 | 教科書準拠 | 無学年方式 | 発達障害対応 |
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対象学年 | 小1~小6
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科目 |
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教科の特徴 |
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リクルートが提供するオンライン学習教材。パソコン、タブレット、スマートフォンのアプリを利用して、予備校の一流講師の授業を何度でも定額で視聴できます。
1回15分程度の映像授業を観たあと、ドリルで確認するステップを踏むことで苦手分野を解消しつつ、学習習慣を身につけていくことができます。
小学4年生から大学受験対策まで4万本以上の授業動画が公開されており、理解不足の箇所は学年を戻って動画をチェックすることも可能。
勉強するとコインが貯まり、自分の分身(アバター)の洋服や部屋をカスタマイズできる他、ペットに餌を与えて育成できるなど、継続のためのゲーム要素も用意されています。
子どもの日々の学習時間やドリルの正答率などは、保護者用管理画面「まなレポ」でチェック可能。
基本的に、ある程度の学習習慣が身に付いている(または身に付ける意欲がある)子ども向けにはなりますが、「学校の授業がわからない」「授業についていくためにしっかり予習・復習したい」という場合に利用価値の高いオンライン教材といえるでしょう。
キャンペーンを利用することで1ヶ月間の無料で体験(通常は14日間)することができるので、授業の内容・わかりやすさ等をチェックしたうえで検討してみると良いでしょう。
無学年学習を採用しているタブレット教材比較
飽きさせない工夫 | 教科書準拠 | 無学年方式 | 発達障害対応 |
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対象学年 |
小4~小6
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料金 |
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教科の特徴 |
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1992年に創業し、30年以上の歴史を持つデジタル学習教材(タブレット学習)。
天神では、学習に無学年方式を採用。教科ごとに子どもの学力にあわせた学年を選択し、学習に取り組むことができます。さらに、「戻り学習・先取り学習プログラム」にも対応。得意教科は授業進度にかかわらずどんどん学習を進め、逆に苦手教科はじっくり復習することで子どもの学力を伸ばせます。
教材には画像やアニメーションが多用され、子どもが楽しく学習に取り組むことが可能。小学生版には音声読み上げ機能があり、文章を読むのが苦手な子でも単元の内容を理解しやすくなっています。
また、一問一答形式で勉強でき、講義動画は1つ10分以内の短時間で構成。発達障害の子どもも集中して勉強できると評価されています。
さらに、オンラインではなく、パソコン(Windows限定)に専用のデータドライブ(USBメモリ)を接続して使用するため※、インターネット不要で学習できる点も魅力です。
料金はフルオーダーメイド設計のため子どもによって異なりますが、資料請求することで実際の教材を無料体験できるほか、教材の価格一覧表も見ることができます。料金を確認したうえで利用を検討すると良いでしょう。
- 0歳~6歳を対象とした「天神(幼児タブレット版)」は専用のタブレットを使用。
飽きさせない工夫 | 教科書準拠 | 無学年方式 | 発達障害対応 |
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対象学年 | 0歳~6歳(就学前)、小学校1~6年、中学校1~3年 |
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科目 |
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教科の特徴 |
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発達障害の子の学習サポートは相性が大切。タブレット教材を比較して子どもに合ったものを選ぼう
発達障害のある子どもは、得意分野と不得意分野がはっきりしていることが多く、学校の授業や普段の学習方法と相性が悪いと、その子が持つ本来の力を発揮できない場合があります。
タブレット教材は、1回の授業時間や継続のためのシステムひとつとってもさまざまなタイプに分かれており、多くの教材が、動画や音声という、紙のテキストにはない強みを活かして学習を進めることができます。
学校の授業で子どもがつまずきを感じているようであれば、タブレット学習のわかりやすさや、学習定着のための工夫を活用してみるのもひとつの方法。
今回ご紹介したタブレット教材の情報も参考に、お子さんにもっとも相性の良い学習方法を探してみていかがでしょう。