教育・受験
高校生におすすめのタブレット学習。選び方や上手な活用法は?
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タブレット学習は高校生の勉強にも役立つ?
タブレット学習とは、専用の(あるいは自宅にある)タブレット端末を学習ツールとして利用する通信教育の総称です。
子どもの学年や学習理解度に合わせた講座・ドリル等が毎月配信され、毎日15分~1時間程度の学習をコツコツ続けることで、家庭にいながら学力アップを目指せます。
一般的には小学生や中学生を対象としているイメージが強いタブレット学習ですが、実はほとんどのタブレット教材が高校生にも対応。毎日の予習復習はもちろん、定期テスト対策や大学受験対策をカバーしており、スキマ時間を有効活用して学習に取り組むことができます。
高校生は、学習内容が高度になる一方で、アルバイトや部活などで私生活も忙しくなるため、成績上位を目指すためには、予習や復習を効率よく進める工夫が欠かせません。タブレット学習は、勉強の習慣を身につけ、時間を有効活用できる心強い学習サポートツールの一つ。
そこで今回は「高校生のタブレット学習」をテーマに、タブレット学習のメリットとデメリット、家庭学習への取り入れ方、タブレット学習を選ぶ際のポイントについて解説します。
目次
高校生がタブレットで学習するメリット・デメリット
まずはタブレット学習のメリットとデメリットを押さえておきましょう。
高校生向けタブレット学習のメリット
- 学習の効率を高められる……教科書準拠や子どもの学力に合わせたカリキュラムを提供
- 自分のペースで取り組める……通塾が不要なので部活動や休日の外出などに影響しにくい。起床後すぐや就寝前など都合のよい時間に取り組める
- 学習のスケジュール管理ができる……定期テスト対策・大学受験対策を試験日や受験日程から逆算してスタートできる
- 学習塾よりも費用を抑えられる……月額費用が割安。入会金・教材費等の追加費用もほぼ不要
タブレット学習の多くは、高校の教科書や子供の現在の学力に合ったカリキュラムを自動配信する仕組みになっています。間違えた箇所の復習や、暗記問題の定着度チェック等も組み込まれており、その時々の自分に必要な内容を効率よく学べる点が大きなメリットです。
また、塾に通う場合と比較すると、移動時間が必要ないため、起床直後や就寝前など自分に合ったペースで学習できる点もメリットでしょう。
定期テスト対策や受験対策は、試験のスケジュールや志望大学などをタブレットに入力することで、学習の目標と現時点での学習理解度を元にカリキュラムを提案してくれるタブレット学習もあります。
月当たりの受講費用は、タブレット学習の提供会社によって異なるものの、月額1万~1万5,000円前後(年間12~18万円前後)が相場です。
これは、学習塾の相場である年間40~50万円前後(入会金・設備費等含む)や、文部科学省が定期的に実施する「子供の学習費調査」の年間20~30万円前後(補助学習費の金額)と比較しても手頃な価格帯と言えるでしょう。
タブレット学習のデメリット
- 対面学習と比較すると質問などを気軽にしづらい……質問サービスがある場合でもまずは疑問点を文章などにまとめる必要がある
- 筆記学習が弱くなりやすい……紙教材との併用型やデジタルペンで筆記するタイプのタブレット教材がおすすめ
- 学習する上での試行錯誤が身につきにくい……間違えた問題や苦手分野の問題が自動的に出題されるため、自分で学習状況を振り返る習慣が育ちにくい
一方、タブレット学習のデメリットとして意識しておきたいのは質問のしづらさです。塾や家庭教師のような対面型の学習サポートでは、わからない箇所を口頭で質問することが可能ですが、タブレット学習の場合は、質問サービスを利用する際、わからない箇所の問題を撮影したり、チャットで文章にまとめるなどの工夫が求められます。
タブレット学習の中には、チャット質問やオンラインのライブ授業等を提供することで質問のハードルを下げているところもあるので、各社の学習サポート機能をしっかりとチェックしてみましょう。
また、選択問題の比重が高く、筆記問題が少ない点もタブレット学習の注意点の一つです。国語の文章読解や英作文、数学の途中式など、筆記をすることで理解を深める単元を強化したい場合は、デジタルペンを利用するタブレット学習や、紙教材と併用するタイプのタブレット学習を検討すると良いでしょう。
なお、多くのタブレット学習は、受講生が問題を解くことで苦手分野を自動的に判定し、復習カリキュラムを組む機能を備えています。効率よく学習を進める上で有効な機能であることは間違いありませんが、学習の振り返りや苦手分野の分析をすべてタブレット任せにしてしまうと、学習する上での試行錯誤(仮説・検証)する力が培われにくい側面も。タブレット学習の利用を考えている方は、上手な活用法を意識しておきましょう。
3.高校生向けタブレット学習の効果的な活用法は?
このように、メリット・デメリットともにあるタブレット学習ですが、以下の点を心がけると、デジタルの長所を活かし、学習効果を高めることができます。
高校生向けタブレット学習の効果的な活用法は? その1学習の目標を設定する
受講の最初に、「定期テストで◯点以上を取る」「苦手な教科で成績を上げる」「志望大学に合格する」など、学習の目的をしっかりと決めておきましょう。タブレット学習の中には、定期テストの目標点数や志望大学を登録することで、それに合わせた学習カリキュラムを組む機能を持つものもあります。
学習のモチベーションを保ち、主体的に学習に取り組むためにも、まずは「何のために勉強するか」「勉強することで何を実現したいのか」を明確化することがおすすめです。
高校生向けタブレット学習の効果的な活用法は? その2学習時間を決める
タブレット学習は習慣化が何よりも重要です。受講をはじめる際は、どの時間帯に取り組むか(部活の朝練前、入浴後から就寝前まで、土日の午前中など)を計画しておきましょう。「これが終わったらスマホを見ても良い」というように、学習後にやりたいことを決めておく方法も有効です。
高校生向けタブレット学習の効果的な活用法は? その3復習や振り返りの時間を設ける
多くのタブレット学習は、苦手分野のくり返し学習や復習問題による定着度チェックの機能を備えています。しかし、自分の弱点分析は、タブレットの機能のみに頼らず、自分で理解・把握しておくことが大切です。
タブレット学習の中には、学年を縦断して学べる「さかのぼり学習」や「先取り学習」を行えるものがあります。勉強に慣れてきたら、タブレットの出題傾向をもとに、自分の苦手分野や得意分野を分析し、意識的に先取り学習やさかのぼり学習に取り組むと良いでしょう。
4.高校生向けタブレット学習の選び方
高校生向けのタブレット学習は、現在、通信教育大手などの複数の会社が提供しています。各社のタブレット学習を比較する場合は、主に以下のポイントをチェックしてみましょう。
高校生向けタブレット学習の選び方 その1教材の難易度やレベル調整の可否
タブレット学習の難易度は、教科書準拠型のベーシックな内容のものから、難関校受験を想定したハイレベルな内容のものまで様々です。子供の学習理解度に合わせてさかのぼり学習ができるタブレット学習もあるので、教材サンプルや無料体験を活用して、易しすぎず難しすぎない難易度のタブレット学習を選びましょう。
高校生向けタブレット学習の選び方 その2学習目的に合っているか
難易度と同様に、得意分野もタブレット学習によって異なります。早めに大学受験対策をスタートしたい場合は受験対策に力を入れているタブレット学習を、一方、基礎学力のアップを目指したい場合は、さかのぼり学習や理解度の向上に力を入れているタブレット学習を選びましょう。
志望大学が決まっている場合は、各タブレット学習が公式サイト等で公開している「合格実績」をチェックし、志望校の合格者数を確認してみるのもおすすめです。
高校生向けタブレット学習の選び方 その3学習サポートの有無と内容
学習や進路について疑問点が出た場合のフォロー体制も重要なチェックポイントです。
「不明点を質問できる」「学習スケジュールについて相談できる」「進路相談や志望校選びの相談を受け付けている」「受験情報の提供がある」など、それぞれのタブレット学習がどのようなサポートを提供しているかを確認しましょう。
高校生向けタブレット学習の選び方 その4使用デバイス
タブレット学習は、専用タブレットに講座が配信されるものと、iPad等の市販のタブレットで講座を受講するものに分かれます。
専用タブレットの場合は、学習に特化したタブレットとしてインターネット機能などが一部制限されています。子供が学習に関係のないアプリ等をインストールする心配がなく安心ですが、タブレット代が別途かかる点には注意が必要です。
一方、市販のタブレットを使用する場合は、家庭にあるタブレット端末を利用可能(ただし、家庭にタブレット端末がない場合は、新たに購入する必要があります)。また、手持ちのタブレット端末を利用する場合は、ゲームや動画視聴等で子供の集中力がそがれやすい点も意識しておきましょう。
高校生向けタブレット学習の選び方 その5無料体験を活用
ほとんどのタブレット学習は、無料体験やお試し期間、サンプル教材などを用意しています。本受講の前にはこれらを必ず利用して、講座内容(難易度やわかりやすさ)、デバイスと通信環境(タブレットの操作や講義内容の閲覧は問題なくできるか)、サポート面(質問時のチャットやメール対応は適切か)など、気になるポイントを確認しましょう。
おすすめの高校生向けタブレット学習
出典:進研ゼミ 高校講座 公式サイト
ベネッセコーポレーションが提供する、学習アプリと紙テキストを併用した通信教育。受講生はスマートフォン(もしくはiPad、Windows PC)で学習できるアプリが使い放題となり、筆記式のテキスト教材と併用で学習を進めていく。
教科は、英語・数学・国語の3教科選択式で、1教科から受講可能。3教科とも受講する場合は、理科と地理・歴史・公民の教材(定期テスト対策や暗記用教材)も追加受講費不要で届く点が嬉しい。
学習アプリも受講する教科数に関わらず全教科使い放題。スマートフォン所持率の高い高校生がすきま時間で学習するケースを想定しているため、アプリはスマートフォン利用が推奨されているが、iPadやパソコン(Windows)でも利用可能となっている。毎日の予習・復習や動画解説、暗記問題、苦手分野の強化問題(数学、英語、古文、漢文)などをオンラインで受講可能。
なお、わからない問題がある場合は、24時間利用可能な質問サービスも利用でき、スマホで問題を撮影して送ると、ほぼ翌日に回答がもらえる。
大学受験対策は、高2の3学期から本格的にスタート。なお、高2までは学校別や志望大別(3コース)のカリキュラムに分かれている。
その他、勉強や進路について相談できるサービス(月3回まで)や、志望大学の先輩にキャンパスライフや合格までの勉強法などについて質問できる掲示板も用意。
受講生一人ひとりの得意分野や希望に合わせて、高校3年間の定期テスト対策と受験対策をしっかりとカバーできる。タブレット教材と紙教材のメリットを両方活かしたい場合におすすめの通信教育だろう。
高校生におすすめのタブレット学習 比較
基本情報
教科 | 英語、数学、国語、理科、地理・歴史・公民
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対象学年 | 高1~高3 |
使用するデバイス | スマートフォン(iOS、Android)、タブレット(iOS)、パソコン(Windows) |
大学合格実績(2023年度) | 東大・京大152名、旧帝大(北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大)830名、早慶上理1,181名、MARCHG(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大、学習院大)2,674名、関関同立2,356名、日東駒専2,091名 |
料金(入会金・税込)
入会金 | 無料 |
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料金(12か月分一括払い・税込)
高校1年生 | 3教科受講(5教科対応) | 円 |
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高校2年生 | 3教科受講(5教科対応) | 円 |
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高校3年生 | 3教科受講(5教科対応) | 円 |
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出典:すらら公式サイト
全国の学校・塾に学習支援システムの導入実績を持つ「すららネット」が提供するタブレット学習。インターネット接続が可能なタブレット、またはパソコンで1回15分程度のオンライン授業やドリルを受講する。
生徒一人ひとりのつまずきを分析し、学年を問わず理解できている箇所までさかのぼる「無学年学習」を採用しているため、わかる単元からスモールステップで理解度を高めていくことができる。対象学年は高2までで、高3以降の大学受験対策はおこなっていないが、様々な事情から学業の遅れが気になっている生徒、勉強に苦手意識がある生徒が基礎学力を身につける上で効果的な学習方法となっている。
オンライン授業はアニメーションのキャラクターを使った対話型で、理解度を逐一チェックしながら進むため、生徒が学習に飽きづらい。また、単元の解説も音声で読み上げるため、読解が苦手な生徒も学習内容を理解しやすい点が大きなメリットとなっている。
なお、すららでは受講の最初に専属の「すららコーチ」が生徒の特性に合わせた学習設計をおこない、その後の進捗管理や学習相談もサポート。
定期テスト対策や受験対策をはじめる前に、基礎学力をアップしたい場合、うってつけのタブレット学習だろう。
高校生におすすめのタブレット学習 比較
基本情報
教科 | 国語、数学、理科、社会、英語
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対象学年 | 高校1~2年生
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使用するデバイス | パソコン(Windows、Chromebook、Mac)、タブレット(iPad、Android) |
大学合格実績(2023年度) | 非公開 |
料金(入会金・税込)
小中・中高 5教科コース | 7,700円 |
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小中・中高 3教科、小学4教科コース | 11,000円 |
料金(4ヶ月継続コース・税込)
5教科 | 中高コース | 円 |
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