教育・受験

塾なしで中学受験をする場合におすすめの参考書・問題集は?

Written: 長尾 尚子

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塾なしで中学受験に挑戦する場合の問題集や参考書はどう選ぶ?

塾なしで中学受験に挑戦する場合、どんな問題集・参考書を選び学習を進めていけばよいかは多くの方が悩むポイントです。
中学受験向けの教材はメインのテキストとなるものから、サブ教材として役立つ資料集や学習まんがまで、数多く発売されています。

塾なしで中学受験に挑むということは、教材も家庭内で選び、実際に使ってみて良し悪しを判断する必要があるということ。子供に合う問題集や参考書を選ぶだけでも手間がかかりがちです。
そこで今回は、塾なし中学受験の家庭に評判の良いの問題集・参考書と、受験勉強への活用法、通信教育との併用メリット等について解説します。

塾なし中学受験における問題集・参考書の活用法

まずは教科ごとの特徴と学習方針を押さえておこう

問題集を選ぶ際は、中学受験における各教科の特徴(傾向)と、それをふまえた基本の学習方針を立てておくと良いでしょう。具体的な志望校がある場合は、その中学の入試傾向を参考にするのがおすすめ。以下は、中学受験における一般的な各科目の傾向と学習方針です。

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国語

学習時のポイント

漢字、語彙、気持ちをあらわす言葉、ことわざ、慣用句、四字熟語などの知識を問う問題と、読解問題に大別される。漢字や語句は頻出問題を押さえる。長文読解問題は、解き方のテクニックを身につけることで正答率を上げられる。

基本の学習方針

小問として出題されることが多い頻出の漢字や文法問題で確実に点を取れるようにします。ことわざや慣用句は学習まんがを活用すると覚えやすいでしょう。最難関の長文読解は、「1日1回解く」「時間制限を設けて解く」など徐々に取り組んでいくのがおすすめ。読解問題専用の問題集を用意すると良いでしょう。

算数

学習時のポイント

計算問題をすばやく解くための計算テクニックを身につける。できるかぎり5年生のうちに6年生までの学習を進める。

基本の学習方針

何度も繰り返し問題集を解き、頻出問題の解き方を身につけることがポイントです。解き方の解説が詳しい参考書・問題集を選びましょう。問いのし方を変えて同じような問題を2回以上解く(図形問題であれば、辺の長さから面積を求める問題と、面積から辺の長さを求める問題をどちらも解けるようにするetc.)のもおすすめ。入試問題に取り組むのは、基礎固めをしてからになります。暗算力を高めたい場合は、そろばんを習うのも有効です。

理科

学習時のポイント

頻出の問題や語句を押さえる。点数配分は「国語」「算数」と比較すると少ないため、問題集を中心に学習を進め、できるかぎり5年生のうちに6年生までの範囲を終える。

基本の学習方針

問題集を何度も解いて知識を定着させることが一番学習効率の上がる方法です。解説の詳しい参考書・問題集を選びましょう。サブ教材として学習まんがを活用すると、仕組みや語句などを覚えやすいのでおすすめ。入試問題に取り組むのは、メインの問題集で基礎固めをしてから。6年生の冬休み中には志望校の過去問に着手しましょう。

社会

学習時のポイント

暗記項目が多いため長時間の勉強が必要になる。学習内容ごとに「地理」「歴史」「公民」と区切り、平行して学習を進めると学習の効率がアップする。

基本の学習方針

問題集を何度も解き、頻出の問題と語句をセットで覚えるようにしましょう。歴史は、学習まんがを活用すると流れで記憶しやすくなります。問い方(穴埋め箇所など)を変えて同じ問題を2回以上解いてみるのもおすすめ。暗記問題は、親子で問題を出し合って覚えると良いでしょう。

中学受験までの長期スケジュールを立てよう

中学受験用の学習塾では、受験までの3年間で学習する教材と、それを使用した学習カリキュラムが決まっています。塾を利用しない場合も、学習塾のカリキュラムなどを参考に、受験までのスケジュールを組むと良いでしょう。

ポイントは、5年生の間に6年生までの学習を終わらせて、6年生からの1年間を受験対策(受験用問題集への着手、苦手分野の克服、志望校別の過去問演習)に充てることです。
ヌケやモレが発生しないように学習を進めるには、学校の教科書の単元を4~6年生まで教科ごとに書き出して一覧表にまとめておくのがおすすめ。学習の全体像を把握しやすくなるはずです。(各教科の単元は、教科書を発行している出版社のサイト等で確認できます。)

週間スケジュールで学習する教科と学習時間を決めよう

受験までの長期見通しを立てたあとは、一週間のスケジュールに「勉強する時間帯」や「学習する教科」を落とし込んでいきましょう。おすすめは、朝の通学前と学校終了後の2回に分けてまとまった学習時間を取る方法。また、寝る前に社会や理科の暗記問題を一問一答形式でこなすと、睡眠中に記憶が定着しやすくなります。
4年生から中学受験対策を始める場合、比較的時間に余裕を持って学習に取り組むことができますが、家庭学習の習慣を身につけるためにも、この頃からスケジュール通りに勉強することを目標にすると良いでしょう

なお、塾なしで中学受験をする場合、家庭での学習時間をどれだけ確保できるかが合否を分ける重要なポイントです。
中学受験では子供が一人で学習し、答え合わせや間違い箇所の確認・復習までをこなすのは現実的ではないため「子供の学習時間=親が子供の学習に付き合える時間」でもあることを意識しておきましょう

塾なしで中学受験をする場合の1日の学習時間の目安

学年 平日 休日
小学4年生 1~2時間 2~4時間
小学5年生 2~3時間 4~5時間
小学6年生 3時間以上 6時間以上

塾なし中学受験におすすめの問題集

1. 四谷大塚 予習シリーズ(四谷大塚出版)

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大手中学受験塾の「四谷大塚」が販売する参考書・問題集。小学4~6年生向けに中学受験を想定したカリキュラムが組まれており、四谷大塚の教材販売サイトでは、教材を使用した中学受験までの学習スケジュールも配布している(PDF)。

教材による自宅学習のみでは理解が不足しがちな場合は、四谷大塚が提供する「進学くらぶ 中学受験コース」に入会すると、映像授業「予習ナビ」でテキストの理解を深められる。塾のカリキュラムを自宅で履修したい場合に特におすすめ。

教科
※4年生の場合
【メイン教材】※各上・下巻
国語、算数、理科、社会
【必修副教材】※各上・下巻
計算、漢字とことば、演習問題集(国語、算数、理科、社会)
【選択副教材】※各上・下巻
最難関問題集(国語、算数)、週テスト問題集(算数)
価格(税込) 各880~1,980円

2. 中学受験新演習シリーズ(日本教材出版)

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  • 個人購入できるサイトです。

栄光ゼミナールや早稲田アカデミー等の中学受験塾で使われる問題集。小学4~6年生向けの中学受験を対象とした学習内容を取り扱う。教材は、基本の解説のあと、「トレーニング」「基本問題」「練習問題」とステップを踏んで学習していくため、単元を基礎から学習する際におすすめ。各学年とも4教科が上下巻に分かれている。塾専用教材のため、購入可能なショップが限られている点と1冊あたりの教材の価格が高めな点がネックだが、基礎から段階的に中学受験の学習を進めていく上でチェックしたい参考書・問題集の一つ

教科
※4年生の場合
国語、算数、理科、社会※各上・下巻、確認テスト付き
価格(税込) 各3,630~4,070円

3. 日能研 ウイニングステップシリーズ(みくに出版)

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大手中学受験塾「日能研」のデータベースを活用した問題集。レベルA~Cまでの3ステップで基礎から実力をつける良問を厳選し掲載している。出版元の「みくに出版」ほか、各書店・オンラインストアでも取り扱っており、教材を入手しやすい点もメリット。対象は小学4~6年生。国語・算数・理科・社会の4教科があり、学年が上がるにつれて国語であれば「読解」「記述」「語句・文法」のように学習内容別にテキストが分かれる。1冊あたりの価格が手頃で気軽に利用しやすい参考書・問題集の一つ

教科
※4年生の場合
国語(説明文、物語と詩)、算数(文章題、図形)、社会、理科
価格(税込) 各880~990円

4. 自由自在シリーズ(受験研究社)

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基礎から難関中学の受験にまで対応した受験研究社の参考書・問題集。「小学1・2年 自由自在」「小学3・4年 自由自在」「小学高学年 自由自在」の学年別テキストに加え、6年間で習う漢字や理科・社会の用語等を網羅した「自由自在 ポケット」がある。教材の内容は、まとめノート・実力問題・発展問題の3ステップで実力を養えるようになっているほか、各単元に記載されている「絶対暗記ベスト3」は、中学受験の過去問や公開模試での出題率が高い。特に、暗記項目が多い理科・社会はポイントを押さえた出題で効率よく学べる。

教科
※4年生の場合
国語、算数、社会、理科
価格(税込) 各2,750円※「小学3・4年 自由自在」

5. 中学入試まんが攻略BON!シリーズ(学研教育出版)

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学研が販売する学習まんが。中学受験に必要な各教科の知識・語句・仕組みなどをまんがで楽しく学べる。本文中の要点事項には「重要」「入試に出る!」マークが付いており、重要ポイントがわかりやすくなっている点が嬉しい。各単元の最後には「要点整理と重要事項のまとめ」「重要事項の一問一答」もあり、学習内容の整理と、知識の定着度を確認できるようになっている。巻末には実際の入試問題も掲載され、実力チェックが可能。実店舗・インターネットの各書店で購入できる。

教科 国語(慣用句・ことわざ、四字熟語、言葉のきまり・敬語、漢字・語句)算数(つるかめ算、図形、仕事算、)理科(力・電気、天体・気象、水溶液・気体・ものの燃え方、)、社会(地理、政治・国際、歴史、歴史人物、歴史年代暗記)
価格(税込) 各1,100円

通信教育との併用で学習効果をアップ

問題集・参考書を使った家庭学習でネックとなるのが、親子ともにわからない問題に行き当たった場合でしょう。塾なしの中学受験に親のサポートは欠かせないとはいえ、学習に支障が出る場合は補助教材の手を借りるのも一つの方法

通信講座の中には中学受験生を対象としたカリキュラムを提供しているところがあり、中学受験の出題範囲を教材や映像授業で学べます。参考書や問題集だけでは理解が不足する場合は活用してみても良いでしょう。また、学習単元のヌケ・モレのチェック、現在の受験勉強の理解度を測るペースメーカーとしてもおすすめです

1. 進研ゼミ 考える力・プラス 中学受験講座

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通信教育大手の進研ゼミが提供する中学受験講座。受験に必要な基礎学力の養成から入試に活用する実践力までを段階的に学習できる。進研ゼミ小学講座のオプションプランとして提供しているが、進研ゼミを受講していない場合もスポットで利用可能。テキスト学習のほか、暗記用教材、プロ講師による映像授業、赤ペン先生の添削もセットになっている

対象 小学4~6年生
教科 国語、算数、理科、社会
受講料金(税込) 月額7,480~7,870円※全学年共通

2. Z会 中学受験コース(トータル指導プラン)

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最難関レベルの中学受験も対象としたZ会が提供する中学受験講座。通常の塾よりも早い小学3年生の4月から開講し、毎日のテキスト学習と問題演習・映像授業・月例テストなどを通じて受験に必要な学力を積み上げていく。一人一人に個別の学習指導を行い、学習スケジュールの立案と月ごとの振り返りを実施。塾に見劣りしないサポートを提供している。

対象 小学3~6年生
教科 国語、算数、理科、社会
受講料金(税込) 月額3,444~21,736円

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