女性がフリーランスとして働くには
フリーランスという働き方の認知度が高まるにつれて、今までのスキルやキャリアを活かし独立して働いていくことを検討している方も多いはず。
特に女性の場合は、結婚、出産、育児、介護といった自分と家族のライフステージの変化が、仕事に直接影響を与えます。
「仕事にも家庭にもしっかり向き合いたいけれど、今のままの働き方では難しい」と悩んでいる方や、「自分の力を試したい」「やりたいことに挑戦したい」と感じている方は、フリーランスという働き方を検討してみるのも良いでしょう。
そこで今回は、フリーランスとして働きたい女性のために、実際にフリーランスライターとして働いている筆者が、女性フリーランスの現状や、フリーランスとして働くメリット、フリーランスにおすすめの仕事について解説します。
フリーランスとして働くことを具体的にイメージしたい方は、ぜひ参考にしてください。
Check!
この記事でわかること
- 女性フリーランスの現状
- フリーランスにおすすめの仕事
目次
女性フリーランスの現状は?男女比・年収・労働時間・働き方の満足度をチェック
まずは女性のフリーランスを取り巻く現状を見てみましょう。プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の「フリーランス白書」によると、女性フリーランスの年収や働き方について、以下のデータが公開されています。
調査データをもっと詳しく見る
女性フリーランスの割合 |
---|
50.2%(男性46.0%、無回答3.8%) |
女性フリーランスの年収※ | |
---|---|
200万円未満 | 30.8%(男性13.0%) |
200~400万円未満 | 28.9%(男性16.0%) |
400~600万円未満 | 17.4%(男性22.5%) |
600~800万円未満 | 8.9%(男性14.9%) |
800~1000万未満 | 6.2%(男性14.5%) |
1000~1200万未満 | 3.3%(男性5.7%) |
1200~1500万未満 | 1.6%(男性6.1%) |
1500~2000万未満 | 1.0%(男性2.7%) |
2000万円以上 | 1.3%(男性2.7%) |
無回答 | 0.3%(男性1.9%) |
女性フリーランスの就業時間(月の平均勤務時間)※ | |
---|---|
20時間未満 | 9.2% |
20時間以上 | 20.7% |
60時間以上 | 14.1% |
100時間以上 | 17.4% |
140時間以上 | 26.2% |
200時間以上 | 9.5% |
250時間以上 | 3.0% |
働き方に対する満足度※ | ||
---|---|---|
達成感/充実感 | 非常に満足+満足 | 85.6% |
どちらでもない | 8.9% | |
不満+非常に不満 | 4.6% | |
スキル/知識/経験の向上 | 非常に満足+満足 | 77.1% |
どちらでもない | 13.8% | |
不満+非常に不満 | 9.1% | |
家族のために使う時間 | 非常に満足+満足 | 60.7% |
どちらでもない | 29.2% | |
不満+非常に不満 | 10.2% |
※「フリーランス白書2020、第2部クロス集計」より抜粋(※の無いデータは「フリーランス白書2024、2023年10-11月調査」より抜粋)
フリーランスの男女比率は女性がやや高め
フリーランスの性別は、男女がほぼ半々となり、女性の割合がやや高くなっています。会社員から独立してフリーランスになるほか、専業主婦やパートタイム労働からフリーランスに転向するなど、複数のルートがあることが、女性フリーランスの多さに繋がっていると考えられます。
女性フリーランスの年収は女性給与所得者の水準とほぼ同程度
女性フリーランスの年収面では、200万円未満が全体の30.8%、次いで200~400万円未満が28.9%を占めます。
一方、給与所得者の女性の平均年収は314万円(正社員407万円)※。主な給与階級は「100万円超200万円以下(21.5%)」「200万円超300万円以下(20.0%)」「300万円超 400万円以下(17.9%)」となっていることから、給与所得者と比較してフリーランスの年収水準が大きく下回っているとは言えません。
女性フリーランスの労働時間は働き方の傾向で2種類に分かれる
女性フリーランスの月の労働時間は、パートタイム勤務に相当する20時間以上(60時間未満)と、正社員のフルタイム勤務に相当する140時間以上の2つが大きなボリュームゾーンとなっています。
女性の場合、育児やワークライフバランスを理由にフリーランスに転向するケースもあり、独立の理由や目的によって、短時間の就業か、長時間就業かに分かれると言えそうです。
働き方への満足度は総じて高め
フリーランスの働き方への満足度は、女性・男性ともに総じて高くなっています。
会社員時代とは異なり、やりたい業務に集中できる点や、部署異動・配置換えによるスキルの断絶がない点、時間の自由度が高い点などが、働き方の満足度に繋がっていると言えるでしょう。これはフリーランスという働き方を選ぶ、大きな原動力になるはずです。
引用:
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2020」
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2024」
女性がフリーランスとして働くメリット
女性がフリーランスとして働く場合、主に以下のようなメリットがあります。
- 自分の裁量で仕事ができる
- 自分の能力や資格を生かせる
- 働く時間や場所を自由に選べる
- 育児やワークライフバランスを重視した働き方ができる
フリーランスで働く最大のメリットは、仕事内容を自分で決められる点です。たとえば、「マネジメントよりも企画や開発が得意なのでそちらに注力したい」といった希望も、フリーランスであれば会社の意向に左右されることなく、個人の裁量で実現することができます。
始業時間や終業時間も決まっておらず、リモート業務の可能な職種であれば出社の必要もないため、自宅やカフェを仕事場にできます。
特に女性の場合は、出社の身支度に時間がかかることも多く、通勤時間がないのをメリットに感じる方も多いはず。
会社員のように収入が保証されていないリスクはありますが、育児や介護、趣味などの生活時間を優先させたい場合に仕事量をコントロールできるのもフリーランスの良い部分です。
未経験でも挑戦しやすいフリーランスの仕事
フリーランスという働き方に憧れはあるけれど、特別な資格がないので何ができるかわからない・・・と不安を抱える方も多いでしょう。
初心者OKの案件が豊富にあり、未経験からフリーランスを目指しやすい仕事を紹介します。
Webライター/ブログライター
「Webライター」は、Web媒体に掲載する記事を書く仕事です。クライアント(企業やメディア)から仕事を受注して執筆するケースが多く、文章を書くことが好きな人におすすめ。
子育てや介護、美容など女性に親和性の高いメディアでは、女性のライターが積極的に採用される傾向があります。
Webで読まれる文章の特徴を理解し、検索エンジンで上位表示されるための知識(SEO対策)やWordPressの編集スキルなどを身に着けると、より高単価の案件を受注できるようになります。
「ブログライター」は、自分のブログに記事を投稿し、読者を集めることで広告収入を得る仕事です。初期費用が少なく、パソコンとインターネット環境があれば始められる点が大きなメリット。
広告のクリック数やブログに貼ったリンクからの物品購入に応じて利益が発生するため、読まれる題材選びやクリックしたいと思わせる文章を書く技術、SNSでの拡散力など、ネットでの集客スキルが求められます。
電話対応/メール対応/カスタマーサポート
顧客や消費者からの問い合わせに対して、電話・メール・LINEなどで対応する仕事です。最近は、これらの業務を外部に委託する企業が増えており、在宅で取り組める案件が増えています。
フリーランスの仕事の多くは1案件あたりの報酬が基本ですが、これらのサポート業務の場合は、時給制となるケースも珍しくありません。
事務/データ入力
事務には、経理などのバックオフィス業務や面接代行など様々な仕事が含まれます。未経験でも取り組みやすいのは、PowerPoint(パワーポイント)やExcel(エクセル)などのOfficeソフトを使用した資料作成やファイル作成でしょう。実務経験があれば、案件の獲得率が高まるため、前職での経験も活かせます。
また、文字起こし(テープ起こし)やデータ入力、ネット上での情報収集、企業への問い合わせ代行なども特別なスキルが求められず気軽に取り組める案件です。
未経験でも挑戦しやすい仕事を探す
出典:クラウドワークス公式サイト
専門職向けの高単価案件から未経験者でも応募可能な案件まで250種類以上の仕事を掲載するクラウドソーシングサービス。
仕事を受注する際は「クラウドワーカー」としてクラウドワークスに登録し、気になる案件に応募する。発注側は、依頼時点でクラウドワークスに報酬の仮払いを済ませているため、納品後の不払いリスクを避けられる点が嬉しい。
発注者と受注者の双方に、発注実績・受注実績、相手の評価が記載されるため、優良顧客を判断しやすい点もメリット。受注実績を増やすことで、自身も優良ワーカーとしてのアピールが可能となる。
報酬支払時に差し引かれるワーカーシステム利用料は、報酬額の最大20%(税別)と安くはないが、登録顧客数も多いため、フリーランスとしての実績作りに活用したい。
主な案件 | システム開発、AI(人工知能)・機械学習、アプリ・スマートフォン開発、ホームページ制作・Webデザイン、ECサイト・ネットショップ構築、動画・映像・アニメーション、音楽・音響・ナレーション、ライティング・記事作成、事務・カンタン作業、写真・画像ほか |
---|---|
ワーカーシステム利用料 | 報酬額の5~20%(税別)※報酬額により異なる |
出典:ココナラ公式サイト
ビジネスからプライベートまで450種類以上のカテゴリ・分野で仕事の受発注が可能なオンラインのスキルマーケット。
サービス出品者は、マイページに自分のスキル・経験や実績などのポートフォリオを登録し、依頼者からの依頼を受注するか、気になる案件を検索して応募する。
サービスの購入代金は、ココナラが一時的に預かり、取引終了後に出品者に支払われるため、不払いリスクがない点がメリット。
報酬支払時に差し引かれるサービス手数料は、取引ごとに開設される「トークルーム」内でやり取りされた販売額の22%(税込)となる。
数あるクラウドソーシングサイトの中でも個人間の取引が活発で、占いやイラスト制作、ダイエット相談などの案件も多い。仕事のスキルはもちろん趣味や人生経験を活かして仕事をしたい場合におすすめ。
主な案件 | イラスト・モデリング・漫画、デザイン、Webサイト制作・Webデザイン、動画・アニメーション・撮影、マーケティング・Web集客、ビジネス代行・アシスタント、音楽・ナレーション、IT・プログラミング・開発、ライティング・翻訳、占い、コンサルティング・士業ほか |
---|---|
サービス手数料 | 報酬額の22%(税込) |
資格・経験・スキルを活かせるフリーランスの仕事
特定の資格や専門スキルがある場合は、それを活かしてフリーランスとして独立することを考えても良いでしょう。フリーランスとして案件数が多く、前職の資格や経験を活かしやすい仕事には、以下のようなものがあります。
ITエンジニア/システムエンジニア
フリーランスとしてのニーズが高く、高額報酬案件も期待できるのがITエンジニアやシステムエンジニアの仕事です。Webサービス開発やスマートフォンアプリ開発など、分野ごと・プログラム言語ごとに違いはあるものの、案件数が豊富で、スキルレベルによって仕事を選択することも可能です。
仕事の受注は、前職からのつながりやクラウドソーシングサイトで案件を探すほかに、フリーランスエンジニア専用の斡旋サイトを利用する方法もあります。
Webデザイン
Webサイトのデザインと構築を行う仕事です。クライアントの企画やニーズを元にサイトのデザインや配色、素材の作成などを行います。
スクール等で学ぶことができますが、フリーランスとして安定的に受注していくためには、一定の実務経験があったほうが良いでしょう。制作サイトの実績をポートフォリオにまとめ、使用可能なツールも併記しておくのがおすすめです。
マーケティング/コンサルティング
マーケティングやコンサルティングは、企業の社内育成が追いつかず、フリーランスの実務経験者のニーズが高い仕事の1つです。
継続案件とスポット案件の両方がありますが、出向ではなく在宅が可能な案件であれば、働く場所・時間ともに融通がきくでしょう。
資格・経験・スキルを活かせる仕事を探す
出典:レバテックフリーランス公式サイト
フリーランスのITエンジニアに特化した案件紹介サービス。無料会員登録し、カウンセリングで今までの経歴や希望の職種等を伝えると、レバテックフリーランスが取り扱う案件から希望に沿ったものを紹介してくれる。
クライアントへの営業や単価交渉をレバテックフリーランスが代行するため、案件に専念できる点がメリット。また、案件参画中は、フリーランス向けの福利厚生サービス「レバテックケア」に加入でき、確定申告などの税務まわりや人間ドッグなどのヘルスケアサポートを割安に利用可能。
フリーランスとして働きたいが、「営業が面倒くさい」「案件獲得に自信がない」という場合におすすめのフリーランスサポートサービスだろう。
主な案件 | ITエンジニア(インフラ、フロントエンド、ネットワーク、SE、プログラマー、PM、PMO)など |
---|---|
利用料 | 無料 |