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海外駐在を6回経験した駐妻の海外子育て体験談!明るく元気に毎日を楽しもう

Written: 世古 洋子

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世古 洋子

夫と小学校高学年の息子と暮らすアラフィフ主婦。東京出身。夫の海外駐在6回、計20年間の全てに帯同し、東南アジア・中東各国を転々として2023年に帰国。今年は20年振りに東京でお正月を迎えました。駐在妻・母として過ごした日々を振り返り、本記事を通じて今駐在中の方や、今後駐在に出られるご家族に役立つ情報をシェアできたら嬉しいです。

海外駐在の理想と現実

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海外駐在に出たら、英語が話せるようになり、手当も増えて、大きな家に住める。そんなイメージを持つ方も多いと思いますが、現実はそんなに簡単ではありません

大人も子供も、ちゃんとした英語力を身に付けたいのであれば、相当な努力が必要です。日本人移住者が多い地域では、病院も不動産屋も美容院も習い事も、日本語サービスが充実しており、なかには英語をほとんど使わずに駐在期間を終えるご家族も。さらに最近はgoogle翻訳の精度も上がっているため、意識して取り組まなければ本物の英語は身に付きません。

現地で日本語サービスを利用する場合、その費用は決して安価ではありませんが、駐在員家族が完全に現地密着の生活をすることは難しく、プラスアルファの出費は避けられないのが現実です。一方で駐在関連の手当は減少しています。

住居などの待遇は国や地域次第。我が家の場合、ホテルアパートメントの時もあれば、受付がいるのは平日昼間だけと言うごく普通のマンションに住むこともありました。

海外渡航が昔ほど特別ではないため、駐在のハードルも下がっていますが、実際に駐在に行くとなると様々な問題が出てきます。例えば共働きだった方が、休職・退職してまで帯同するのか?日本との生活の違いを楽しめるのか?子供の教育環境が変わることをどうカバーするのか?等、問題は山積みです。
ただこれらの問題の大半に正解はありません。大事なのは家族で納得できる答えをだすこと。あとは前に進むだけです。

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海外の日本人コミュニティは多少閉鎖的で、お互いのことが色々と見えてしまい、つい比べてしまうこともありますが、ある程度意識的に自分達のスタイルを保つことが、日本にいる時よりも重要です。

海外駐在は多くの場合、自分で行き先を決めることができません。この点が留学や海外就職との大きな違いです。また期間限定で、その長短も自分で決めるわけではありません。良くも悪くもいつか終わりが来て、日本に帰るのです。

嫌な隣人がいても「遅かれ早かれ引っ越しをする!一生のお付き合いじゃない!」と割り切ってしまいましょう。気候・風土が合わない土地だと思った時は、無理して合わせず「郷に入っては郷に従え」なんて言葉は忘れて、マイペースに過ごすのもありです。

「海外だからこその貴重な体験をしなくちゃ!」と言う意気込みよりも、家族全員が自分達らしく『生活』できることを優先する気持ちを大切にしましょう

言語は海外駐在を楽しむためのツール

海外のイメージ画像

海外駐在は語学留学ではないため、語学取得を課題にする必要はありません。ただ、英語や現地言語や文化を学ぶと、生活への理解が深まるのもまた事実です。まずは挨拶程度の習得を目指しましょう。お店に入った時に「こんにちは!」と現地の言語で言ってみるだけで、店員さんのにこやかさがアップするものです。
無理する必要はありません。自分に合うスタイルを見つけましょう。

筆者は現地日本人会で、現地言語を学ぶサークルに入ったことがあります。先生は現地の方で、文化面でも多くの学びがありました。その時の先生や仲間とは、今でも連絡を取り合っています。
またコロナ禍では、オンラインで現地の言語を学んだことで、現地のコロナ情報もわかるようになり、外出規制の中でも、外に目を向けるきっかけになりました。

息子は日本人向けの習い事もしましたが、幼児期は外国人向けに英語で行われている体操教室やリトミックに参加。言語外で「気が合う」「しっくりこない」は子供にもあるようで、早々に「別のクラスがいい」と言ったこともありますが、「何を言っているのかよく分かんない時もあるけど、なんか楽しい!」という時も。楽しかった場所では、無意識に英語フレーズや現地語の単語などを身に付けていました。

海外での習い事のイメージ画像

英語に関しては、筆者は、非英語圏でブリティッシュカウンシルに通い現地の方達と一緒に学び、日系英会話学校にも通いました。その他にも多国籍の生徒がいる語学学校に入ったり、イギリス人家庭教師のプライベートレッスンを受けたり、アメリカ人の先生が自宅でやっている英会話サロンに参加したこともあります。息子も、遊びながら英会話を学ぶ家庭教師に習ったり、英語で英文法からしっかり学ぶ塾に行ったりしました。
日本のオンライン英会話を利用しているという話もよく聞きました。現地のサービスは手続きから全部外国語でハードルが高いので、初心者の方はこれも良い選択肢だと思います。
選択肢は数多くあるので、しっくりこなければ次を探せばOKです。探しているうちに駐在期間が終わってしまう可能性もありますが、その過程すら海外にいるからこそと面白がってしまいましょう。

数年の駐在期間の中で、現地のコミュニティに入っていくのはなかなかハードルが高いものですが、上手く生活に馴染むことができたら、日本語と現地言語のエクスチェンジレッスンや、ボランティア活動などから関わるのも良いでしょう。ただし怪しいサービスなどがないとも限らないので、日本にいる時以上に慎重に。

「語学は苦手」という方は、自分を追いこんでまで現地のコミュニティにチャレンジする必要はありません。日本人コミュニティの中で気の合う人を探すのも選択肢の1つ。同じ会社の奥さん、ご近所さん、習い事のクラスメイト、ママ友等、筆者にも日本人同士の良い出会いがたくさんありました。ただ、お互い駐妻だと、あっという間に別れの日が来ることも。そこが、日本で築く人間関係との違いですが、そんな中でも一生ものの出会いがあるかもしれません。筆者はつい先日、中東時代に仲良くしていた友人と再会。近況を報告し合い、苦労をねぎらい合い、思い出話に大笑いしてきました。

海外子育ては良いとこ取りの精神で

海外での習い事のイメージ画像

海外での子育ては、不安なことも多いですが、世界中どこででも子供は生まれ育っていくもの。海外の良い面は取り入れ、日本のやり方が良いと思うことに関してはそれを続ければOKです。完全に良いとこ取りの精神で問題ありません。

筆者は息子が未就園児の頃に住んでいた都市では、リトミックや体操教室等外国人向けに英語で開催しているところへ通っていました。体操教室で先生が説明をしている時、きちんと並んで座って話を聞けない子供達。でも先生は「僕の前に来て、話を聞いているんだから合格点」と。寝そべっていようが、ママに寄りかかっていようが良いのです。その体操教室には小学生からは器械体操のクラスがあり、そこでは先生方がまるで別人のように厳しく指導している時がありました。なぜなら、危険が伴うからです。幼児クラスでは「楽しく、自分らしく」を徹底する等、優先順位がはっきりしている考え方が魅力的で、母子ともに楽しく通いました。

子供が就学年齢になると、学校の選択に悩むものです。我が家の場合、息子の年齢が上がり行動を見るにつれ、息子は言語コミュニケーションに重きを置いているタイプだと感じるように。我が家は駐在期間の長期化が予想される上に、次どこに行くかが全く分からなかったため(※インターナショナルスクールすらない地域にも夫の会社の拠点があり、そこに行く可能性もあり)、まずは日本語をしっかり身につけ、思考能力を育てることにしました。結果的に運良くずっと日本人学校のある地域が続き、英語は習い事などを通して身に付けた程度です。

インターナショナルスクールに通う場合は、日本語環境をどうするかも課題です。「習い事は日系のところにする」「日本語補習校や日系塾に通う」等、選択肢は数多くありますが、日本にいる間にある程度方向性は決めておいた方が良いでしょう。日本で塾に通っていた方の中には、オンライン対応してもらっているという話も聞きます。その場合、授業料の支払い、教材の受取方法、模擬試験の対応等を事前に相談してクリアにしておきましょう。

家庭での危機管理

海外での習い事のイメージ画像

駐在員本人は慣れない仕事や環境で疲弊しがちですが、それは家族も同様です。まずは自分をいたわり、少し甘やかし気味でいきましょう。自分がいっぱいいっぱいだと、家族をケアすることなんてできません。
「駐妻ってお茶会やらランチ会やら気楽でいいわね」なんて声を未だに聞きますが、そんなに気楽な生活ではないのです。気の合う友人とのおしゃべりや美味しいものを堪能する時間も大切にしましょう。

筆者はカフェでの読書が一番の趣味で息抜き。好みのコーヒー、適度な音量のBGM,混み具合、小柄な筆者が座り心地がいいと思える椅子がある素敵なカフェを探し歩く時間を大切にしていました。自分へのご褒美は日本にいる時より少し多めに。体力的にも精神的にもダウンしないよう注意しましょう。

海外のカフェのイメージ画像

一方で万が一に備え、必要なサービスを事前に調べておくことも重要です。デリバリーやメイドサービス、子供が小さいうちにはベビーシッターサービスも必要でしょう。最大のポイントは実際にお試ししておくこと。いざ使ってみると、意外と予約が取りにくいとか、煩雑な事前登録が必要だったとか、必要事項の伝え方のコツがある等、実際に使ってみないとわからないことがあります。万一の時、役に立ちそうなサービスを見つけたら、一度使ってみましょう。

筆者は、息子が小学校低学年の時に急性虫垂炎で緊急手術、入院したことがあります。その際に利用したのは、病院への道順、周辺の交通渋滞、駐車場の数、病院設備や医師、看護師、日本語通訳の質や雰囲気、各窓口の場所、保険申請のやり方などを確認し「何かあったらここにしよう」と思っていたところでした。検診や予防接種、持病など、切羽詰まった状況ではない時に、いくつかの病院にかかっておくことは大切です。相性もあるので、周りの方達のアドバイスや加入している保険会社の資料等をもとに、万が一の場合利用する病院を決めておきましょう。

入院中は息子の弁当にデリバリーを、習い事の送り迎えには送迎サービを利用しましたが、どれも事前に使ったことがあったので、安心して利用できました。

体調が万全でない時に、不要なストレスを感じずに済んだことは大きかったと思います。
またご近所の方達やママ友、夫の会社の方達にも大いに助けられました。遠くの親戚より近くの他人です。日本人コミュニティは面倒くさいと決めつける方もいますが、上手に付き合い、支え合うことも必要です。

談笑する女性たちのイメージ画像

「リスク管理」を大辞林(三省堂)でひくと「営業活動に伴うさまざまな危険を最小の費用で食い止める経営管理活動」とあります。これを家庭レベルで考えてみましょう。家族に危機があるとすればどんなケースか?どうしたら危機の度合いを下げられるのか?

また「危機管理」を引いてみると「不測の事態に対して事前に準備される、被害を最小限に食い止めるための対策」とあります。これも家庭レベルに落とし込み、派生する被害を大きくしないための対策を各家庭の状況に応じてシュミレーションしておきましょう。緊急時には、日本の実家に助けを求めたとしも、すぐには対応できないと思うべきです

海外駐在経験者からのアドバイスとメッセージ

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出発前には旅立ちの寂しさと先の不安と期待が混ざり合い、また引越しのドタバタの中で体力的にも限界寸前でシンドイ時期がやってきます

現地に着いた後も、張り詰めた緊張感と目まぐるしくやってくる情報と予想外の現実に直面し、心身共にくたくたになってしまうことも。そんな時に周りにいる駐在ママ達が活き活きしているのを見ると「自分には無理・・・遠い世界」なんて思ってしまうかもしれません。

ただ実際にはほとんどの駐在ママが不安で辛い時期を体験しています。そして中には、声をかける優しさを持っている方やそっと見守ってくれる優しさを持っている方がいるはずです。なかには意地悪い方もいるかもしれませんが、筆者は20年間の駐在経験の中で「本当にイヤなヤツ!」と思った人は5人もいません。臆せず挨拶をし、不安やわからないことはどんどん教えてもらい、自分なりの生活のペースを築きましょう。

焦って早々に答えを出す必要はありません。どうしても合わなければ帰国すると言う選択肢も常に頭の片隅に用意し、ゆったりとした気持ちで、元気に自分達らしく駐在生活を楽しんでください!

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