働くママの転職体験談

Mama × WORK

同僚ママとの共通の悩みから起業を決意!株式会社シェアダイン共同創業者・共同代表 井出有希さんの起業ストーリー

働くママの転職体験談、これから転職を考えている働くママ・再就職を考えている主婦の皆さんのための特別企画です。今回の体験談は、株式会社シェアダイン共同創業者・共同代表 井出有希さんの起業ストーリーをお聞きしました。起業に踏み切ったきっかけや、働きながら子供の食事作りに対する向き合い方についてもお伺いしました!

Presented By 働くママ編集部

働くママのプロフィール

シェアダイン共同創業者・共同代表 井出有希
年中の男の子と2歳の女の子を育児中のママ

東京大学経済学部を卒業後、外資系金融機関2社を経て、外資系コンサルティングファームのアナリスト(リサーチ部門)に。2017年5月、コンサルティングファーム時代の同僚がシェアダインを立ち上げ後、8月に正式に参画。

シェアダイン

シェアダイン

調理師や管理栄養士などの専門家による出張「作り置き」サービス

保育園や小学校給食室で働く栄養士、調理師などの専門家が、家族構成・ライフステージ・ライフスタイル、ご家庭ごとに異なる、食のニーズに寄り添い「家庭料理」を提案してくれる。心のこもった、丁寧な調理に利用者からの評判も高い。

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Q1井出さんは会社員時代、キャリアと子育ての両立についてどのように考え、お仕事に取り組まれていたのでしょうか?
社会の理不尽を感じたことはありませんか?

コンサルティングファームで2回産休育休を取得しましたが、復職後も短時間勤務制度を利用して両立をしていました。ただ、どうしても保育園のお迎えの時間がありますから、自分で仕事の制限をかけてしまうことには葛藤がありました。以前のように大きなプロジェクトに入ってコンサルタントと一緒に課題が解決するまで粘り続けるといった働き方はできなくなりましたが、子どもは欲しいと思っていましたし、仕事と育児との両立がしやすい職場環境だったと思います。

緑の野菜

毎日バタバタしながらも育児もスムーズに進んでいたのですが、突然「子どもの食事」という壁にぶつかりました。長男は野菜嫌いで、とくに緑の野菜はまったく食べてくれません。お味噌汁に入れてもダメ、ハンバーグに刻んで入れてもハンバーグ自体を食べない。野菜を入れずに普通に作ったハンバーグも「野菜が入っているかもしれない」と警戒して、避けられる。子どもの食事にはとても悩みました。

両立しやすいといっても、やはり限られた時間で家事をこなさなければなりませんから、どうしても食卓には「短時間で」「簡単に」作れるおかずばかりを並べていました。どうにか野菜を食べてほしいと思いながら、そこに向き合うことができずにいたんですね。本当は子どもが野菜を食べられるように「時間をかけて」「工夫した」 料理を作りたいのに、それができない。自分は仕事と育児を両立していると言いながらも、結局は「食卓を犠牲にしている」いう罪悪感から逃れることはできませんでした

Q2井出さんが会社員を辞め、起業しようと思った理由をお伺いできますでしょうか。

悩む女性

「食卓を犠牲にしながら、これで両立していると言えるのか」という葛藤を抱きながら仕事を続けていましたが、同僚ママとよくランチをしながら子育ての悩みを共有していました。「同じような悩みを抱えているのは自分だけではない」とわかると同時に、そうした悩みを解決してくれるサービスがあればいいのにと考えるようになりました

ランチをしながら、どういうサービスがあったら使ってみたいか、こういう方法なら使いやすいのではないかと議論を続けていくなかで、それならば「自分たちが本当に必要としているサービスを自分たちで作ればいいんじゃないか」と決断しました。同僚ママで、シェアダインの共同創業者・共同代表を務める飯田とです。

とはいえ、起業するのは初めてのことですから不安がなかったわけではありません。じつは、外資系金融機関時代、私は2度リストラに遭っています。仕事を失った経験もよみがえり、育児との両立がしやすい制度が整っている会社をこのまま飛び出していいのか。非常に不安な気持ちを抱えていたのも事実です。

そこで、背中を押してくれたのは夫の一言でした。「失敗してもいいよ。失敗した人ほど成長するのだから、思いっきりやってみたら」。夫はかつて滞在していた米国で、数々のスタートアップが誕生する様子を間近で見ていたからこその、心強い言葉でした。

起業前の1日のタイムスケジュール

  1. 起床、子供達と一緒に朝ごはん、身支度
  2. 保育園へ送り
  3. 出社
  4. 帰社
  5. 保育園にお迎え
  6. 夕食・お風呂・遊び
  7. 子供達を寝付かせ
  8. 海外チームとの電話会議
  9. 就寝

Q3起業してみて一番変わったことを教えてください。

まず、時間の使い方は大きく変わったと思います。コンサルティングファーム時代も時短勤務制度を使っていましたが、仕事を切り上げて保育園のお迎え、帰宅してからは夕食作りを始めるわけですが、お腹が空いた子どもにできた料理から食べさせて、次はお風呂、寝かしつけと、まるで流れ作業のように「時間内にこなすもの」でしたが、起業してからは時間のうえでも気持ちのうえでもメリハリをつけられるようになりました

今は17:00にはオフィスを出て保育園に子どもをお迎えに行き、帰宅してからは親子でしっかりと向き合う時間になりました。私自身もシェアダインのサービスを月2−3回利用していて、夕食は料理家さんに作っていただいた料理を活用します。その日保育園でどんなことがあったのか、子どもたちと話をしながらゆっくりと夕食を食べます。「お迎えに行って買い物して夕食を作って急いで食べさせる」というプレッシャーから解放されることで、時間に追われてイライラすることもなくなりましたし、そういう変化を子どもたちも敏感に感じとるのでしょう。長男が宇宙に興味を持ち始めたことを話してくれたり、長女が保育園のお友だちのことを一生懸命説明してくれたり。夕方からの貴重な数時間を前よりも楽しく過ごすことができています

投げコマ

夕食後に子どもたちと遊ぶ時間もできました。最近では、コマ回しに子どもと一緒にはまっています。投げコマと呼ばれるもので、紐を巻きつけて投げて回すおもちゃです。昔ながらのおもちゃですが、これが意外と難しいんです。紐の巻きつけ方が重要らしく、おもちゃ美術館で一度プロの方に教えていただいてから、親子ではまっています。子どもたちの上達は本当に早いです。そういう成長に気づけることが何より幸せな瞬間です。

シェアダインの出張「作り置き」サービスを利用することで、じつは料理に対する変化も起きています。安心安全でバランスのとれた家庭料理を食べられることで胃袋が満たされるだけでなく、美味しいと思った料理は料理家さんにレシピを教わって、週末に自分で作ったりすることも。料理は苦痛の原因ではなく、むしろクリエイティブな創作なんじゃないかと思えるようになりました

そうなると、これまでになく食に対する興味も広がっていきます。たとえば、私は両親が高知県出身なので、馬路村のゆずポンや柚子胡椒を高知県ショップで買ってみたり。春になると文旦と小夏(どちらも黄色い色をした柑橘です)が届くので、それを使ったサラダやジュースを楽しむようになりました。

起業後の1日のタイムスケジュール

  1. 起床、子供達と一緒に朝ごはん、身支度
  2. 保育園へ送り
  3. 出社
  4. 帰社
  5. 保育園にお迎え
  6. 夕食・お風呂・遊び
  7. 子供達を寝付かせ
  8. 仕事
  9. 就寝

Q4シェアダインは共働き世帯向けの出張作り置きサービスを提供されていますが、反響はいかがですか?

ありがたいことに非常に好評で、定期的に利用される方が増えています。忙しい共働き家庭はもちろん、スポーツジムでの食事指導を自宅でも実践したいという方、また家族の状況に合わせて、離乳食やアレルギー食、生活習慣病予防といった目的で利用されるケースも増えてきました。

つくりおき画像

シェアダインのサービスを広く受け入れてくださっているのには、単に労働力として家事を代行してくれるということではなく、家族に合った料理を作ってくれる点にあると考えています。食事に関して困っていることや悩んでいることを、国家資格を持つ専門性の高い料理家さんに直接聞いてアドバイスを受けられるという点に、一般の家事代行サービスとの違いがあります。

もちろん、家事代行サービスを上手に利用されている方も多くいらっしゃると思います。たとえば、矢野経済研究所の調査を見ると、「家事代行」市場は2017年度には3.1%増の906億円、世帯年収1000万円以上では約4割の女性が利用しているというデータがあります。以前に比べると、かなり一般化したと言えるのではないでしょうか。

ただし、世の中の流れはすでに「時短や効率化のために外部の労働力を買う」フェーズから「専門家のスキルや知識を身近に得ることで生活を豊かにする」フェーズへと大きく動いています。出張作り置きサービスにおいても、これまでの「時短・安価・手軽」という価値観で選ぶのではなく、「専門家による栄養管理」を求める方向に変化しています。

シェアダインにおいても、各家庭の悩みやニーズを起点に「専門家に相談したい」という使われ方が広がっています。「離乳食の後期はどうしたらいいのか悩んでいる」「手づかみ食べのメニューを相談したい」「高タンパクな食事でカロリー計算をつけてほしい」「バラエティに富んだ減塩料理を教えてほしい」と、食のプロに相談することが身近になっているのです。

Q5働くママプラスの読者に向けて、働きながらの子供の食事作りの向き合い方のアドバイスを是非お願いします。

子どもと食卓

限られた時間の中で、子どもの食事にしっかりと向き合うのは難しいことで、多くの方が悩みを抱えていらっしゃるかと思います。それでも「家族の食卓」はとても重要な意味合いがあると思っています。「週5日以上、家族で食事をとる子どもは、非行に走りにくい」というデータがあるくらいです。忙しいからこそ、食卓でのコミュニケーションを大切にして、家庭料理の記憶を未来に繋いでいって欲しいというのが、私たちの想いです

仕事をしながら、家事も完璧にこなそうとすれば、100%+100%=200%のエネルギーが必要です。仕事も家庭を大事にしようと思えば思うほど、200%に届かないことがストレスにもなりかねません。ですから、全部自分で100%やろうとしないことが、じつは自分だけでなく、家族の幸せにつながるのではないか、そう考えています。

繰り返しになりますが、そのために家事や掃除の代行サービスを上手に使っていらっしゃる方も多いと思います。時短のために「時間を買う」という効率化ですね。私たちのサービスも一見すると同じように映ることもあるかもしれませんが、成長の時期によって異なる子育て家庭の食の悩みに直接対応することが最大の強みです。離乳食や幼児食、偏食と、子どもを持って初めて接する課題に対して、専門性を持つプロ料理家に直接家庭で、その知識と実践を教えてもらえるというのが「豊かな食卓」につながるのだと信じています。

Pick up!

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井出さんのイチオシ!

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わが家では、作り置きにiwakiのガラス容器を愛用しています。臭いがつかず、衛生的で、冷蔵庫に入れても横から中身が確認できるので、お薦めです!

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