家族で考える自転車保険。おすすめの保険や義務化の状況は?

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Written By 働くママ編集部

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自転車に乗る家族がいる場合、自転車保険への加入はもはや必須。自転車事故に家族で備えよう

保育園の送迎や買い物、通勤・通学など、家族で日常的に自転車を使用しているご家庭は多いはず。
自転車は今も昔も私たちの生活の足として欠かせないツールの一つです。その一方で、「自転車の安全利用促進委員会」の調査によると(※)、近年の自転車ブームの影響もあり、交通事故に占める自転車事故の割合――とくに、自転車と歩行者の接触事故の割合が増加していることが、大きな問題となっています。
自転車事故の実態(自転車の安全利用促進委員会)

自転車

自転車と歩行者との事故では、歩行者が重度の障害を負うケースや、死亡事故に発展するケースもあり、被害者側はもちろん、加害者側も多額の損害賠償を請求され、人生が大きく狂ってしまう可能性が高まっていると言えるでしょう。

このような自転車事故の問題を受け、一部の自治体では「自転車保険」への加入を義務化する動きが出てきました。

自転車保険とは、自転車事故で自分や相手がケガを負ったり、相手の物を傷つけるなどして損害賠償義務を負った場合に、その費用を補償するための損害保険の1つ。
最近は携帯電話やインターネットなどから気軽に加入できる商品も増えており、保険料も他の保険と比較すると割安に設定されているケースがほとんどです。

みなさんの中にも自転車保険という名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、実際にはどのようなケースで補償が受けられるのか、家族で加入することはできるのか、またその場合の注意点など、自転車保険の詳細についてはよく知らない、という方も多いでしょう。

そこで今回は、「家族で加入する自転車保険」にスポットを当てて、自転車保険が義務化されている背景や、自転車保険の補償内容、おすすめの自転車保険などをご紹介します!

自転車保険への加入を検討されている方は、是非本特集を最後までチェックしてみてください。

自転車保険の義務化とは?

自転車保険の義務化は、都道府県や市町村など、自治体によって対応状況が異なります。
2018年8月現在、すでに完全に義務化されている自治体もあれば、努力義務や推奨としている地域も。

自転車保険が義務化されている代表的な地域は、大阪府、京都府、兵庫県など。関東エリアでは、埼玉県や神奈川県相模原市が義務化しており、東京都・千葉県・群馬県などが努力義務として自転車保険への加入を推奨しています。

自転車保険が義務化される背景

自転車保険が義務化されている自治体の多くは、自転車の保有率や利用率が高く、過去に自転車を原因とした死傷事故などの大きな事故が発生した地域です。

自転車事故では、自転車が歩行中の高齢者などと接触することで、相手に大きなけがを負わせ、寝たきりや脳挫傷などの後遺障害、死亡事故など重篤な損害を負わせる場合があります。
自動車やバイクと異なり、自転車は免許制ではないため、小学生や高齢者も日常的に利用します。中には、自転車を運転していた子どもが歩行者にケガを負わせたことで、数千万円の損害賠償が保護者に言い渡されたケースも。

自転車保険の加入義務化は、このような自転車事故において、被害者を救済すると同時に、加害者の経済的な負担を軽減することも目的としているのです。

自転車事故による高額な賠償金事例

ケース1 自転車 対 歩行者
概要
歩行中の62歳女性が11歳男子の運転するマウンテンバイクに正面衝突され、頭蓋骨骨折の傷害を負い、植物状態となる。
損害賠償額
9521万円
所管
神戸地裁平成25年7月4日判決
ケース2 自転車 対 自転車
概要
自転車乗車中の52歳女性が進行方向からの自転車と接触して車道に転倒。バイクと衝突。脳外傷による後遺障害3級を負う。
損害賠償額
7908万円
所管
東京地裁平成24年6月20日判決

自転車保険の補償内容はどうする?

自転車保険の補償内容は、「傷害保険」と「個人賠償責任保険」の大きく2つに分かれます。

傷害保険

傷害保険は、自転車に乗っている本人が衝突などによってケガをした場合に、入院や通院の費用が補償される、いわば自分や家族のための補償
該当する入院や通院が発生すると、日数ごとに○円などのあらかじめ決められた保険金が日額で支払われます。健康保険などから医療費が支払われる場合であっても、保険金支払い事由にさえ該当すれば、所定の金額をもらうことが可能
治療にかかる費用をサポートするという意味では、あると心強い補償ですが、すでに他の医療保険に加入をしている場合や、自治体からの医療費助成などがあり、金銭的な負担が軽減されている場合は、必ずしも必要ではありません。
家族のケガに対する様々なセーフティネットをよく調べたうえで、要不要を決めると良いでしょう。

個人賠償責任保険

一方、個人賠償責任保険は、自転車走行中に人や物にぶつかるなどして、他者に損害を与えた(損害賠償責任を負った)場合の費用を補償します。
過去の賠償金事例にもある通り、自転車事故での損害賠償額は、過失の程度によって数千万円にのぼることもあり、自転車保険の個人賠償責任保険も、保険金額を「1億円」や「無制限」などとしているものが大半を占めています。自転車保険においては、傷害保険よりも優先度の高い補償と言えるでしょう
ただしこちらも、自動車保険や火災保険、クレジットカードの付帯保険などで、家族のだれかがすでに個人賠償責任保険に加入している場合があります。
一般に、個人賠償責任保険の補償は、家族全員に適用されますが、保険金額は合算されないため、2つ以上の契約があると、一方の契約は無駄となってしまうことが少なくありません。
傷害保険と同様、加入の前に家族全員が加入している保険を再チェックすることをおすすめします。

その他、自転車保険に付帯すると良い特約・サービス

上記2つの補償のほかに、自転車保険に付帯していると便利な補償もあります。自転車保険によっては、これらの特約やサービスを付帯できるものがあるので、補償内容を充実させたい方はぜひチェックしてみましょう。

  • 自転車ロードサービス……自転車が走行不能となった場合に、保険会社の提携するロードサービス拠点からスタッフが駆けつけ。自転車の運搬などをサポートする。
  • 示談交渉サービス……自転車事故の加害者となった場合に、相手方との示談交渉を代行する。
  • 弁護士費用特約……自転車事故において、過失割合ゼロ(もらい事故)の被害者となった場合の弁護士相談費用を補償。一般に上限300万円まで。

補償の重複に気をつけよう

自転車事故に手厚く備えられるのが自転車保険の大きなメリットですが、前述の通り、家族がすでに加入している保険の内容によっては、必ずしも加入が必要ではない場合があります。
下記のような保険に加入している場合は、自転車保険と補償内容が重複していないがどうかチェックしてみましょう。

補償の重複を避けるためにチェックしたい保険は?
自転車保険の傷害保険……その他の傷害保険、医療保険、共済など。通常は被保険者のみが補償対象となる。
自転車保険の個人賠償責任保険……自動車保険、火災保険、クレジットカードの付帯保険、共済、子どもが加入している団体保険など。通常は家族全員が補償対象となる。

自転車保険に家族で入るときはここをチェック!

自転車保険の「家族型」に注目しよう

 

自転車

自転車保険は、「本人型」「夫婦型」「家族型」のように、カバーする範囲によってタイプがわかれます。親も子も自転車に乗るようであれば、「家族型」を提供している自転車保険に加入することで、家族全員に自転車事故への備えを準備することができるでしょう。

家族型の自転車保険は、契約者とその家族が自転車事故を起こした際に、補償が適用されます。自転車に乗る家族の人数が多いほど、一人当たりのコストは割安に。兄弟の多い家庭や、同居している祖父母なども自転車に乗る場合などは、家族型がお得です。

ちなみに、家族型における「家族」の範囲は意外に広く、同居している親族(6親等以内の血族、3親等以内の姻族)や、別居の未婚の子(進学や就職で遠方に下宿している子ども等)も対象となります。ただし、既婚の子や、別居している両親などは対象外となるのが一般的。
家族型の自転車保険に加入する場合は、補償される「家族」の範囲もよく確認しておきましょう

家族での加入におすすめの自転車保険

楽天超かんたん保険「自転車保険プラン」

楽天超かんたん保険「自転車保険プラン」

楽天が提供する自転車保険。楽天市場からオンラインで加入できる。「節約コース」「標準コース」「充実コース」の3コースがあり、コースごとに保険金額が異なる。すべてのコースに示談交渉サービス(国内)がもれなく付帯。保険料は家族型が月額300円からと割安。

保険料の支払い方法がクレジットカードのみとなっているが、楽天市場ユーザーは、楽天スーパーポイントでの支払いにも対応している。

自転車保険比較

保険料※家族型 月払:300~1,100円、年払:3,380~12,170円
補償内容
  • 死亡・後遺障害保険金……100~300万円
  • 障害入院保険金日額……1,500~3,000円
  • 個人賠償責任保険……1億円
  • (障害通院保険金……日額0~1,500円)※標準コース、充実コースのみ
  • 示談交渉サービス(国内)
対象年齢 満18歳以上69歳以下

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au損保「自転車向け保険 Bycle(バイクル)」

楽天超かんたん保険「自転車保険プラン」

au損保が提供する自転車保険。すべての携帯キャリアのスマートフォンと、パソコンから申し込みが可能。補償内容ごとに「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」の3コースがある。保険期間も最長2年間まで。すべてのタイプ・コースに自転車ロードサービスと示談交渉が付帯する

自転車事故と自転車事故以外の交通事故を補償し、自転車事故では保険金額が2倍になる

自転車保険比較

保険料※家族型 月払:740~2,060円、年払:8,090~22,250円、二年払:14,560~40,060円
補償内容
  • 死亡・後遺障害……250~800万円
  • 入院保険金日額……4,000~12,000円
  • 手術保険金……2~12万円
  • 個人賠償責任……2億~3億円
  • 自転車ロードサービス……年4回まで、無料搬送50kmまで、24時間365日対応
  • 示談代行サービス
  • (入院一時金……2~10万円)※シルバーコース、ゴールドコースのみ
  • (通院保険金……日額1,000~4,000円)
  • (法律相談費用補償……5万円まで)※ゴールドコースのみ
  • (弁護士費用等補償……300万円まで)※ゴールドコースのみ
対象年齢 満69歳以下

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全国交通安全協会「サイクル安心保険」

全国交通安全協会「サイクル安心保険」

全国交通安全協会が提供する自転車保険。自転車会員を対象に、傷害保険と個人賠償責任保険を割安な保険料で提供している。示談交渉サービスも自動付帯。保険料には自転車会員の年会費30円、制度運営費370円も含まれる。

ただし、自転車事故以外の交通事故が対象外となる点に注意したい。

自転車保険比較

保険料※家族型 年払:4,380円(Web申し込み)、4,580円(郵送申し込み)
補償内容
  • 死亡・後遺障害……本人1,000万円、家族750万円
  • 入院保険金日額……本人・家族3,000円
  • 個人賠償責任保険……1億円
  • 示談交渉サービス
対象年齢 年齢制限なし

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イオン少額短期保険「イオンの自転車保険」

イオン少額短期保険「イオンの自転車保険」

イオン少額短期保険が提供する自転車保険。家族型はなく、個人型のみを取扱う。他の自転車保険と比較すると、障害入院・ひったくり被害など、運転者側の損害をカバーする補償が充実している。他の自転車保険やクレジットカード付帯保険などの追加補償として利用価値が高い。保険料の支払いがクレジットカード払いのみとなる点に注意。

自転車保険比較

保険料 年払:3,550~4,460円※1名あたり
(家族加入の場合は2人目以降の個人賠償責任保険料は無料)
補償内容
  • 障害入院保険日額……4,000円※最高80万円まで
  • ひったくり損害保険……1事故につき5万円
  • 個人賠償責任保険……1事故につき1,000万円
対象年齢 満3歳から69歳まで

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まとめ

自動車やバイクよりも気軽に利用できる自転車は、子どものいる家庭や、家族が通勤・通学などで長距離移動をする家庭にとって、なくてはならない存在です。
しかし、自転車用の運転免許や自転車走行用のレーンの整備など、自転車をとりまく安全状況は、完全に整っているとは言えません。
このような状況のなか、自転車事故による損害賠償の高額化もあいまって、自転車保険の存在が大きな注目を集めています。
他の保険と比較すると、手頃な保険料で大きな損害に備えられる自転車保険は、自転車を日常的に使用する家庭では、積極的に検討したいセーフティネットの1つ
とくに、保育園の送迎に自転車を使う場合や、子供が自転車をよく利用する場合は、万一の備えとして、自転車保険を検討してみてはいかがでしょう。

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